インターネット、監視の恐怖

先日Amazonおすすめ商品欄のところに、「サクラ大戦 活動写真」が出てきた。
それがどうしたというかもしれないけれども、これは非常に由々しき事態。というのも、現在のAmazonアカウントではいわば「堅い」本だとか、工具だとかそういうものしか買っていないしそもそも漫画とかは閲覧すらしないように気をつけてきたから、Amazonからそんなものをおすすめされる筋合いはなかったわけ。まあこれだけなら単に売れ筋?の商品を無差別におすすめしまくっているだけなのかなと思うだけなんだけれどももう一点心当たりがあった。それはAmazonアカウントを作るのと同じメールアドレス(Gmail)を使ってアカウントを作った某SNS(Tからはじまるやつ)で、「太正浪漫堂」というワードを含む発言をしたこと。(太正浪漫堂というのは、簡単に言えばサクラ大戦のグッズを売っていたところ。今はないはず。)
おすすめ商品欄を見た瞬間にこの発言が脳裏に浮かび、これはやばいのでは?と感じた。

サクラ大戦が昔どれくらい流行ったのかは世代が違うので全く知らないのだけれども、少なくとも現時点では誰もが興味を持っているコンテンツであるとは思えない。Amazonが誰もにおすすめする商品にふくまれるようなものだろうか?おそらくそうではないだろう。おそらくはAmazonが「サクラ大戦に興味を持っていそうな人」だけに向けて広告をうっているはずだ。そして、「太正浪漫堂」というワードを含む発言をすることは「サクラ大戦に興味を持っていそうな人」と判断されるに充分足りるファクターであろう。
ということはどういう手段を使ったかは分からないが「太正浪漫堂」という発言をしたアカウントとアラカワのAmazonのアカウントが同一人物のものであるという情報をAmazonが持っているということになるだろう。(SNS連携サービスなんかを使っていれば当たり前なのだが、もちろんそんなものは設定していない。)

素人ながらどうしてこうなったのか考えてみると、何個か可能性が出てくる。
・そもそもそのSNSとAmazonがグル: 広告収入とか少しはあるのかもしれないが、T社は素人目には売上が出そうな業務をしていない。実はアカウント情報を他社に売って稼いでいて、その顧客のなかにAmazonがいるというパターン
・ Googleがメールの内容を覗いていて、「Twxxxerに登録ありがとうございます!」メールや「Amazonアカウントを作成しました」メールなどをテキストマイニングしてある人の作った各サービスのアカウント情報をひもづけるデータベースをもっていてそれをAmazonがみた(GoogleとAmazonが合体してグーグルゾンができる…とかいう動画が話題になったこともあった)
・ ブラウザの中に残っているクッキーだとかログイン情報だとかを勝手にAmazonに見られていた(最近Facebookがこういうことやって問題になった記憶が)

などなど、考えれば尽きない。

まあ上に挙げた各シナリオはぼくの勝手な妄想でしか無いんだけでども、少なくともAmazon垢とSNS垢が了承無いまま勝手にひも付けされたっていうのは事実だと思う。
インターネット上における権利だとか、個人情報の扱いなどは法律が後手にまわっていて正直どこまで手が回っているのかわからない。リアルな住所や電話番号と違ってネット上のさまざまな情報(メールアドレスやSNSアカウントなどなど)は保護されるべき「個人情報」として法律側がとらえられていないので、サービス提供者側はろくな規制がないのをいいことにやりたい放題やっているんじゃないかとも思ってしまう。

「この商品にいいね!をつける」 ボタンなどを押させることは、このボタンを押したことで初めて情報がFacebookに収集されるんだな、つまり押さない限りはAmazonで何を見ようがFacebookにはその情報は伝わらないんだろう、と思わせるための心理的な罠なのかもしれない。

「一望監視装置」が監視する側は常に監視しているわけではないけど監視される側は常に監視されているように感じさせる装置だったとしたら、現代のこのしくみは監視する側は常に監視しているのに監視される側は常には監視されていないだろうと思わせるようにできている。

とここまで書いたものの特にオチはありません。ただAmazon怖っと思っただけでした。