ソフトなカナルなカスタムIEM その2.1

以前の記事(ソフトなカナルなカスタムIEM)で、ソフトカナルのカスタムIEMの試作機を作ってみた、ということを書いた。

しかし、この工法には大きな問題がある。

その問題は工程2のところにある。
まず、このやり方ではグミタイプUVレジンで作ったカナル部分を奥からほじくって取り出さないといけない。
この際にピンセットなどでむりやりほじくるので型にも本体にも傷をつけてしまうこともある。また、紫外線を何回か当ててシリコン型が硬くなっていると、そもそも取り出せなくなる恐れもある。

イメージ図


また、出来上がったカナル部にむりやり穴を開けるのもカナル部を結構傷つける。こっちは裂けたところで一応直しようがあるが、形が微妙に変わってしまうし見栄えも悪い。
柔らかいと加工が結構難しいのである。

そこで、新しい工法を現在テスト中。
これは型の作り方にポイントがある。
上のような問題点を解決するために、「型を分割式にする」ことでカナル部を容易に取り出せるようにすることと、「カナル部を固める際に最初からチューブを通しておく」ことができるようにした。
まだ型を作ってるだけなのでうまくいくかどうかは未知数だが、多分上手くいくだろうと見切り発車で書いてしまう。

早速作り方へ~

1.原型を写真のように粘土で埋める

カナル部を露出させる


2.先っちょに端を塞いだチューブをはりつける。
ちなみに、この際瞬間接着剤を使うわけだけれども、ウェーブの3Sというのがオススメ。これはほんとに瞬間に固まる。今まで使ってきた瞬間接着剤の中でこれは最高傑作だと断言する。

これをしておくと、後でシリコン型にレジンを流し込む前にチューブを予め通しておくことができる。(はず)
こんなかんじで
うちは家族全員耳穴が細い
(こっから写真略)
3.上下の型をずれないようにする爪をつくるため、粘土部分に何箇所かへこみをつけ、2までで作った鋳型の上に流し込む。
 
4.固まったら、できた型をひっくり返して原型(IEMのね)をはめ、離型剤をしっかり塗って上からシリコンを流し込む。離型剤を塗らずにやると、工夫が無駄になるので絶対塗ること。

5.最終的にこんな感じ
3,4で写真がない部分はこれを見て作業風景を想像しよう
あとは下の型にチューブをはめてグミレジン流し込み、できたらドライバー等つけて上の型をはめてハードレジン流し込み、これでうまくいくはずなんじゃないかな~っと。