前回、型を作るところまでは書いたので、今度は実際にIEMを作るところ。
まず以前から、カナル部分だけをソフトレジンでつくろうとする場合、どうしてもあとで普通のUVレジンを流しこむ時にソフトレジンでできたカナル部とシリコン型の間にレジンが入り込んでしまい、せっかく柔らかいカナル部ができたのにその表面を硬いレジンがコーティングしてしまうという問題があった。
さらに、上下分離方式の型を使った場合には型の接合部にも樹脂が入り込んでしまい、「バリ」が出てしまう問題もでてくる。
絵で説明すると…。
Sketchbook for GALAXYには絵の中に文字を入れる機能がない! ドライバーとか音導チューブは省略 |
どうしてもドライバー等を取り付ける際にカナル部を一旦下の型からとりはずす必要がある。これをもう一度型に戻しても、絶対に隙間ができてしまう。
なので、上からレジンを流し込むと…
「これから流しこむ」ってなってるけど、もう流しこんでるね |
こういうふうに「入ってほしくない部分」まで樹脂が流れ込んでしまうのだ。これは困っちゃう。
バリは削ることもできるが、カナル部に硬い樹脂がコーティングされてしまうと、剥がすことはできない。(もし剥がれるようだったら、カナル部ともくっつかなくなる笑)
ここで、何らかの対策が必要になる。
まぁ一言でいえば、離型剤を塗る。
離型剤を、レジンが流れ込んでほしくない部分にたっぷり塗る。
接合部は両側に塗ってから型同士をはめる。
そうすると、離型剤が固まった時に上下の型同士、カナル部と型が離型剤で接着されることになって、樹脂が入りにくくなる。
(使ったことない人は、離型剤を料理の時に浮いてくる動物脂のようなものをイメージするとわかりやすい。塗るときは液体だけど、しばらくほっとくとペースト状の脂になる)
完璧に流れこむことを防ぐことはできないが、ずいぶん軽減される。
また、カナル部の表面にも離型剤がくっつくので、仮に硬いレジンが流れ込んでいてもカンタンにはがすこともできる。
まあなんというか、カナル部だけじゃなくて全体ソフトレジンで作れば苦労も少ないんじゃないかという意見もあるかもしれないが…
ちなみに、今日は御徒町にユザワヤができたというので行ってきた。(建て替えられた吉池の7Fにある)
UVレジンももちろん売っているし、店舗面積はそんなに広くない割に工具も材料もそこそこ充実している。
(ユザワヤオリジナルのUVレジンは安いし、表面もべたつかないし結構いいかも?缶詰の桃みたいなフルーティーな香りがついてる!?)
荒川区とか台東区にはなかなかこういうのを買えるところがないのでグッド。
Lalaテラス南千住にあったユザワヤみたいに、いつの間にか「ファッションセンターしまむら」になってるなんてことはないといいなあ…。
ちなみに、試作品はこんな感じ ソフトレジンで作った部分は研磨ができないので、もっときれいにつくらないとな… |
どういうわけか、左のほうに問題が。
音導チューブの中に樹脂がはいってしまった模様。(樹脂を充填したあと、音がちゃんとなるのは確認したのになぜ?コーティングの段階で入ったとしか考えられない)