ネイルランプの恐怖

最近とある工作に凝っていて、その関係で紫外線で固まる樹脂を使うようになった。
最初のうちは僅かな部分しか使っていなかったので、おもちゃのUVペン(紫外線を当てると見えるようになるインクのペン)付属のUV-LEDで十分だったのだが、紫外線硬化樹脂がとても便利だったので工作物を全部紫外線硬化樹脂で作ることにした。
通常の化学反応で固まる系はすぐ固まって欲しい時にもなかなか固まってくれなかったり硬化時間が人間ではなく樹脂・接着剤様の都合で決まっている。
しかし紫外線硬化樹脂は紫外線を当てるまでは固まらないし、逆に当てるとすぐ固まってくれるのである。
もちろん屋外で作業したらすぐ固まってしまうが、室内で作業する分には蛍光灯で固まってしまうなんてことはない。しかも匂いもその他の樹脂より少ないため部屋が化学薬品臭くなることもない。(でも、換気はちゃんとしよう)

ここで問題があって、UVLEDは照射範囲も狭く出力も弱いため細かい接着や穴埋め程度しか対応できない。ある程度大きいものを作るにはさらに強力なUVランプが必要になるのである。
で、紫外線硬化樹脂で工作するのに便利だというネイル用ランプを買うことにした。
自分が買ったのは36Wのやつで、ネイル用としては高出力らしい。9Wとかいうのもあるので36Wっていうのはかなり強いのだろう。
今まで他のランプを使ったことはないので比較もできないが、自分の作りたいものは10秒も当てれば形ができ、2分当てれば表面のベタつきも完全消失という素晴らしい速さ。
以前光硬化樹脂を使っていたときは真夏の昼間に日光に当てていたのに10分近くかかっていたということを考えると革新的な捗りようである。

一応本来の目的は手に当てることなので、人体に大きな影響はないだろうと思って、コーティングしたいものに樹脂を塗って、それを手に持った状態でランプに当てて固めるという作業をしていた。とはいえ実際に手にあたっていたのは合計でも2分程度である。
そのときはなんともなかったのだが、お風呂に入った時に異変に気がついた。両手の皮が何箇所もめくれていたのである。
 そういえば、「はだしのゲン」でも被爆直後の人たちは…とか思い出してしまうくらいだったので結構ひどかった。

手のひらのほうが手の甲より皮膚が薄いということかもしれないが、それにしてもこれは予想以上の威力だった。
で、自分はこれからは手袋をして作業をしようと思ったのだが問題はこれをネイル用に使う人である。爪の部分だけ露出する手袋でもあればいいのだが、話によると日焼け止めをぬることもなく、樹脂を乗せたらそのまま突っ込んでいるとか。
その人たちの手が心配である。