洋ゲーに、ハマる

ふと急に西洋ファンタジーの世界に入りたくなったので、ちょうどいい機会というわけでオープンワールド系RPGというものに手を出してみた。
最近SkyrimというThe Elder Scrollという有名シリーズの新作が話題になっていたのを思い出し、それを…といいたいところだが、うちにはそれが動くようなハイスペックPCはない。
今自分が使っているのはVAIO SAというもので、13.3インチで1.5キロを切る携帯性ながらCPU:Core i7 2620M  RAM:8GBというだけでなく、モバイル向けミドルレンジグラフィックボード Radeon HD6630Mを積んでおり内蔵グラフィックとディスクリートグラフィックボードを切り替えられるというけっこういいやつだと思っている。
実際設定をそれなりに落とせばCoD:MW MW2あたりは充分プレイできる。MW2はカクつくシーンが多少気になったがMWは最後の敵が大量に出てくるシーン以外全く気にならなかった。

とはいえさすがに最新のゲームをプレイするようなパワーはなく、必然的に古いゲームから選ぶことになる。スカイリムの前作であるOblivionも気にはなっていたがここはあえてマイナーなやつをやろうと思い"Gothic 3" というドイツ産のゲームを選択。
今ならSteamホリデーセールもやってるし…たったの4.99ドル。
Gothicというシリーズは海外では人気がありこの3も150万本売り上げたらしい。しかし公式には日本語版が存在しないため日本ではあまり知られていないんだそう。しかし日本語パッチが非公式に存在しているため英語がわからない人でも十分楽しめる。

このゲームのあらすじは…
流刑にあっていた主人公(この顛末が1・2)が故郷の島に帰ってくるとオークたちが島を支配していた。そして生き残った人間たちは奴隷になるか、オークのもとで傭兵として働くか、オークたちに対する反乱軍になっているかという状況。さて、あなたはどうする? というもの。
JRPGだったら当たり前のように反乱軍に協力して人間をオークから開放するルートしか存在しないだろうが、このゲームではオークの側について反乱軍を潰すこともできるし、勢力に関係なく皆殺しにすることもできる。
 NPCもドラクエのように「ここは○○の街だよ」しか言えないようなものではなく、こっちが人の家を勝手に物色していたりすると「何やってるんだ!」と切りかかってきたりする。反乱軍のキャラが味方になる場面もあるのだが、この状態で反乱軍のアイテムを盗むと仲間をはずれてこっちに襲い掛かってくる。NPCにも生死があって、一度死んだら生き返すことはできない。
街とフィールドの境というのもシームレスなので、外のモンスターをうまく挑発して村に誘い込んで 村のオークと戦わせることもできたりする。

友人の家でGrand Theft Autoのどれかを一時間ばかりやったことはあったがオープンワールドゲームを面と向かってプレイするのはは初体験だったのだが、これは面白い。通常では勝てないような敵を崖の上から弓矢で一方的に攻撃して倒す、などこんな自由度の高いゲームをプレイしたことがない。

しかし最も良かったのはそのシステムではなく、世界観だ。プレイしているとやたらと死体に出会う。フィールドやダンジョンには野生動物に襲われたのか白骨化した死体がいたるところに転がっている。オークに支配されている町では脱走を試みて捕まったのか反乱を企てたのか奴隷たちの死体がいたるところに吊るされていて見せしめとなっている。

中世ヨーロッパは、死がすぐそこにある世界だった。人間は生まれても、たった一年も生きられない場合が75%だったとも聞く。
このゲームにもいたるところに死の影がある。しかし、死の影があるということはその反対に生の輝きが存在している。というのは言いすぎだろうか。


とまあいろいろ言っておいて、なんでスクショ一枚もないの?の思ったかもしれないが、それには深いわけがある。実はすでにアンインストールしてしまったのだ。
さっきからほめるようなことばっか言っておいて何故?というとこのGothic3、面白すぎる、というかはまりすぎるからだ。
インストールしてから三日間、平均して一日6時間近くプレイしてしまっていた。JRPGのように章立てされたストーリーがあってきりのいいやめどきがあるというようなゲームではないため、ついついプレイ時間がのびてしまう。30分1時間はあっという間だ。
さすがにこのままではやばいと思って、とある会話を思い出した。
自分は塾関連のアルバイトをしているのだが、ちょうど今は高3生が追い込みに入っている時期だ。そしてその中の一人が、ゲームはもうやめようと思いPSPに入っていたメモリースティックを折った、と話していたのを思い出した。
ゲームをやめるには、強硬手段に出るしか無いと思い、自分も勢いをつけてアンインストール。
セーブデータごと消したので、もう一度やり直す気力も起こらない。
正直MMORPGでもないしここまでハマるとは思っていなかったが、あっという間に三日間が消滅した。ポルナレフのような気分である。

そして得た教訓。
オープンワールドには、手を出さないほうがいい。よほど自己管理に自信があるか、時間の有り余るヒキニートでも無い限り、身を滅ぼすことになる。