先日のDMM留学を利用したマルタ留学のとき、最終日の夜はPacevilleにあるFootlooseというクラブで一夜を過ごすことになりました。タイトルだと「来ています」だけど、すでに帰ってきてから2週間以上たってます。
Paceville
マルタのクラブ街は不思議なところで、入場料は基本Freeで飲み物もタダ券をばらまきまくっているので実質Freeとなっている。サンジュリアンのPacevilleという地域がそう。
一体どうやって経営が成り立っているのか不思議だ。このクラブ街はほとんどHugoという実業家1人の持ち物らしいので、無料で釣ってクラブに遊びに来てもらう→その後で周辺のレストランで食事してもらう、ホテルに宿泊してもらうことで回収という流れなのかもしれない。フリーミアムモデルって感じですね。
でまぁもちろんぼーっと突っ立っていたわけでもなくちゃんとクラブに居る人っぽいことをしつついろいろ考えてみた。
はじめてのクラブ遊び
クラブ遊びって、特に代わり映えしないことをずーーーっと繰り返しているだけなんじゃないだろうか。 もちろん来るDJが変わる、とかかかる曲のジャンルがかわるといったことはある。でもそれはヘーゲル的な意味での歴史を刻むことはなくて、「単に前と違う何か」の繰り返しでしか無いようにみえる。
たとえば映画やTVゲームでは、まったくそれらを嗜まない人の前に30年前のものと現代のものを並べてどっちが新しいでしょう?ときいたとしてもほぼ確実に当てられると思う。 でもダンスミュージックを嗜まない人に、80年代のユーロビートや90年代のハウス、00年代のサイケデリック・トランスと10年代のEDMを並べてどれが新しいでしょう?ときいたとしたらまったくわからないんじゃないだろうか。
コジェーヴみたいに言えば、動物化した人間たちがそこにいる。
動物に戻る時間
仮にクラブ遊びが「人間的な遊び」だとすれば、進化のない遊びは衰退していただろう。 これはお腹が空いたから食べ物を食べたい、とか眠くなったから寝たいといった欲求のレベルにまで「クラブに行きたい」というのが低レベル(プログラミング言語に対する「高級」「低級」みたいな意味で、価値判断の入った言葉ではないですよ。念のため。)はないだろうか?
音楽が流れていて、酒が飲めて踊れればなんでもOK。あまりそこにいいとか悪いとかうまいとか下手だとか、形式的な価値みたいなものは存在しない。快を得られればそれでOKみたいな感じだ。
ここまで言ったことから、僕はクラブ遊びを低く見ているとおもうと感じる人もいるかと思うが、そうではない。むしろ学ぶことが多いのではないかと思っている。
コジェーヴが動物化の反対に置いた日本的スノビズムであるが、実は持続可能性があまり高くないのではないかと思う。外的な強制力があってこそ成り立つものであって自発的にスノッブな生き方ができる人はいないだろう。 社会の紐帯が合理的に整理されて、理不尽な外的強制力が薄れた現代においては、基本的に動物的な生き方をして、たまにスノッブになるくらいの生き方が最も生きやすい生き方なのではないだろうか。
動物的な時間の必要性
アニメ・漫画オタク趣味なんて日本的スノビズムがあらわれていると思うけれども、今までと違うものを追い求め続けた結果ひどいことになってるじゃないですか。これまでの流行の流れといった文脈を持ってないと理解できないものばかり。しかも玄人気取りでマウンティングしたがる連中ばかりで末期感を感じる。
情報伝達の速度が遅かった時代には、ある領域での流行であったり潮流の変化がひとりの人間の寿命の長さといい感じにマッチしていたのかもしれない。一生スノッブでありつづけてもニッチすぎるところまで行き着くことなく死んでいた。 しかし情報伝達が光の速さで行われるようになった現代、スノッブであろうとすると一通りのことはすぐに一巡りできてしまう。その後は重箱のつみをつつくかのように些細な違いを無理やり持ち上げたり奇をてらったものをありがたがったり、無理矢理にでも差異を作り出そうとする。でもこれに楽しみを見出し続けられる人ってそういないと思うんですよね。
だったら、スノッブである時間を短縮して動物として生きる時間を長くしないといけないんじゃないかなぁと思い始めたんです。
どう着地点に行けばいいのかわからなくなってきたので無理やりまとめると、今年ULTRA JAPANって行ってみたいんですよね。だれか楽しみ方を教えてください。
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