漫画村を使うのはいけないことなの? 上 の続きです。
技術的な問題
インターネット上を行き交うデータは移動しているのではなく、コピーされている。 そこに物理的な実体の移動を前提とした制度設計だったりを持ち込んでしまったところに齟齬があり、実効性のある対策が打てていないのだと思う。
そもそも論としてKindleなりなんなりで買った電子書籍も漫画村からダウンロードした海賊版zipファイル(漫画村ってzipダウンロード方式なのか?)もどちらもサーバーにあるデータのコピーにすぎない。
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なので、そもそもインターネットと所有権だとかオリジナルの同一性、不正コピー対策といった問題と徹底的に相性が悪い。 これに対して文句をつけるのは、なんで地球の重力加速度は9.8m/s2なんだ(怒)と文句をつけているようなものだと思う。 実効性のある対策をしたいんだったら、そこはもう所与として受け入れるしかない。その上で、物理実体の移動ではなくデジタルデータのコピーを基礎原理とする系の上でどうコンテンツを流通させるか考えないといけなかった。
これはテクノクラートの独善主義のように聞こえるけれども、電話交換手が消えたりタイピストが消えたりと同じだ。世の中がそれを良しとしたから、そういった変化が起きているのである。
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そういえば以前ブロックチェーンはお金のトランザクション記録以外には使えないだろう、的な記事を書いた覚えがあるけれども、データのトランザクション記録にも使えないことは無い気がしてきた。
電子書籍の取引がブロックチェーン上に記録されていて、その電子書籍のデータの送受信をインターネットプロバイダが検知したらブロックチェーンを参照、不正な取引だったら送受信を止めるみたいな…。完全に通信の検閲になってしまうので厳しいだろうけど、こういった方向で海賊版の流通を防ぐのはできるかもしれない。
かんたんな解決法
ここまで人によっては漫画村を擁護している!と読んでしまいそうなことばかり書いてきたけれども、自分も心情的によく思っているわけではない。作者がかわいそう、だとかそういう以前に出版社のグループ会社で働いてるし、、。
というわけで、「法律で規制する」以外に実効性のある対策を取れないのかちょっと考えてみた。
ここまで大騒動になっても生き残っているということは、サービス自体を終了に追い込むのは難しいと考えられる。それよりも、いかにリーチを減らすかを考えたほうがよいのではないだろうか。
Google八分
Googleは私企業なので、法律で禁止されている・いないとは別に、自由にページをインデキシングするかしないかの選択肢を持っている。
というわけで、なんとかして漫画村をGoogle八分にしてもらうのが一番いいと思うんですよね。そうすればたどり着ける人は激減すると思う。 それを勝ち取るのはなかなか難しいかもしれないし、すでに頼んでるけどやってくれないから今なのかもしれないが。
Facebookだったらこういうの対応してくれそうな気がするけど、Googleはどうなんだろうね。
FUD
世の中の人って情報系の用語に徹底的に疎いし、それらの用語を「こわいもの」として捉えがちである。なので、嘘は言わずに「漫画村にアクセスするとスマホに"パケット"が送りつけられるらしいよ!」とか「漫画村のサイトにはCSSが使われてるらしいよ!」みたいな、なんとなくヤバいぞ感をただよわせる投稿をSNSにばらまくのはどうだろうか。
「漫画村をみるとウイルスに感染するらしいよ!」は嘘なので不正義になってしまうが、これは嘘は言ってないのでセーフだと思う。