【地方創生ビジネス】2021年の規制緩和で地方銀行ができることになった3つのコト

「地方銀行」で検索するとサジェストに「やばい」という言葉が出てくるくらい、地方銀行の先行きが危ないということは近年多くの人が指摘しています。 そんな地方銀行ですが、一方で近年規制緩和によって色々なことができることになっているのはご存知ですか? (規制緩和自体は地方銀行以外にも適用されますが、本記事では地方銀行にフォーカスを当てています。) 銀行はもともと本業以外で失敗して経営が悪化することがないよう、業務範囲が厳しく定められていました。しかし多くの銀行の経営が苦しくなる中、銀行のできることも増やして競争力を増すことができるよう近年規制緩和が行われています。 特に地方銀行は地方企業とのつながりが強いことから、規制緩和によってできることになったことで、取引する地方企業にも良い効果が波及することが期待されています。 早速、何ができるようになったのか3つ取り上げてみましょう。

1. 登録型人材派遣

2018年3月から人材紹介業を行うことは可能になっていましたが、2021年5月から登録型の人材派遣業も行うことができるようになりました。 特に地方では人口減少・高齢化が高速に進んでいることで中小企業では人材の確保が大きな課題となっています。 地元の技術があるのに人が集まらなくて事業が拡大できないのは地方銀行にとっても痛手です。地方銀行は地元の企業のことをよく知っており、ここに人がいればもっと伸びるのに、という企業も多く知っているでしょう。 そんな企業に人を派遣することで、地元企業の活性化につながるのではないでしょうか。

2. 100%出資での地域商社設立

地域商社とは、地域産品の魅力を高めて発信することで高い付加価値を売れるようにする組織です。身近なところでは、道の駅の運営やそこで売る商品のプロデュースなどを行っています。 こちらも2019年9月から「銀行業高度化等会社」として地域商社を100%出資で作ることはできましたが、金融庁の個別認可が必要でした。 それが2021年5月からは地域商社などいくつかの業種については、個別認可が要らず届出のみで子会社を設立できるようになりました。

3. コンサル・マッチング業務

ビジネスマッチングやデータ分析、マーケティング、広告業務といった業務も2021年の規制緩和でできるようになりました。

銀行には融資先を中心に多くの企業のデータがすでに蓄積されています。このデータを生かしたビジネスマッチングはすぐに目に見える効果が出そうです。

背景の考察

2020年の国勢調査では47都道府県のうち38道府県の人口が減少しているなど日本全体が経済的に停滞している中地方の衰退はさらに深刻です。 地銀がやばいというよりも、地方の経済がやばいというのが地方を経営基盤とする地銀の経営状況に現れていると言えるでしょう。 こういう状況では銀行にとっても銀行の本業に集中してじっと死を待つ方が、新事業に手を出すよりもリスクが高いという判断がなされたのではないでしょうか。 2021年の銀行法改正に向けた資料では、新たに期待される銀行の役割として「銀行等が保有するノウハウや人材、技術などを活用したデジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築への貢献」「出資を通じた企業の事業再生・事業承継やベンチャービジネスの支援」といったものがあると言及されています。

金融庁「新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案説明資料」(2021年3月)

新たなチャンス

これまでできなかったことが規制緩和によってできるようになったとはいえ、新たにできる事業に対して人材やリソースを持っているわけではないと考えられます。 つまり、地銀が新たにできるようになった事業について、地銀がいますぐ使えるソリューションを提供できればビジネスチャンスがありそうです。 実際、3を見越して(だと思われる)サービスが出始めています。ビジネスマッチングプラットフォームのLinkersが、自社のシステムをホワイトラベル形式に使えるようにするLinkers for Bankというサービスを提供し始めています。

エルエフビー|ビジネスマッチングシステム

四国の阿波銀行や長野の八十二銀行といった地方銀行で既に導入実績があります。 地方銀行が規制緩和で何ができるようになったのかを知り、先回りしてターンキーソリューション(導入したらすぐに役に立つソリューション)を作ることができれば、喜ばれるのではないでしょうか。


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