人の頭を脊髄ごと引き抜いてみたい?そんな危険な欲望を持っている人は、なんとかゲームで我慢して欲しい。
Mortal Kombat(モータルコンバット)というゲーム
Mortal Kombatというゲームシリーズがあることは知っていたけれども、日本でいえば香港97のようなイロモノゲームのような存在だと思っていた。 (香港97はそもそも正式に売られたものではないか、、)
しかし、最新作のMortal Kombat11は全世界で800万本以上のセールスを記録しているし、今年公開された映画Mortal Kombatは公開初週に全米1位を記録。 そしてなにより、2020年のトップDJ Dimitri Vegas&Like Mikeがテーマソングを作っている。
Mortal Kombatは当初途中からワーナー・ブラザーズが権利をもつようになっている。それが理由か、スーパーマンやバットマン、ターミネーターやランボーといったキャラクターがゲストとして参加している。 また、このゲームのキャラクターがディズニーの「シュガー・ラッシュ」にもカメオ的に出演している。
Mortal Kombatを思い出したきっかけ
最近、SLAM!というオランダのラジオ番組のYoutubeチャンネルをよくみる。(聞く) Dimitri Vegas&Like Mikeの動画を見ていたところ、1曲目がとてもパンチがあっていい感じだった。
この曲はなんだ?と調べたところ、これがMortal Kombat Anthemという、Mortal Kombat11のテーマソングだった。
それで、Mortal KombatってそんなトップDJが曲作るようなゲームなの?と思って調べたところ、上記のようなメジャーIPになっていることを知った。
肉体に対する考え方の違い
日本では、いわゆるゴア・スプラッター要素に対しての忌避感が強い。Mortal Kombatも初期の数作品が発売された程度である。 欧米のほうが、そういった描写への許容度はたかい。(モータルコンバットのおかげでアメリカではゲームの規制団体ができたそうだが)
この理由のひとつとしては、宗教の歴史があるのではないかと思った。
ヨーロッパの古い教会にいくと、床にしきつめられた墓石には骸骨の絵など、埋葬されている人のしごのにくたいのすがたを描いているものをよくみる。 たとえば、マルタの首都ヴァレッタにある聖ヨハネ大聖堂のゆかはこんな感じ。下みたいなのが一面にしきつめられている。
絵だけではなく、彫刻でも死体が腐敗している姿をあらわしたようなものがある。
これらは現世の生のはかなさを表すものである。 死後の救済を重視するキリスト教では、肉体は魂の仮住まいという認識で、日本ほど毀損などに対して忌避感が少ないのかもしれない。 Mortal Kombat 11はR-18指定でもあり、TPOを問わずだれでも話題に挙げられるものではない。 しかし、"Komedy"として許容されうる程度の温度感ということなのだろう。
チェコのクトナー・ホラという町にはセドレツ納骨堂という、実際の人骨で装飾された建物がある。
日本や中国といった東アジア文化圏だったら、悪い君主の非道エピソードに出てきそうなものだ。 しかし、こっちはそういうエピソードはなく、普通に許されているようだ。
ヨーロッパ諸国でも、特に若い世代を中心に「無宗教」が増えている。しかし、上記のような墓石やトランジといったモノとして残されている記憶によって、文化のタブーというのが継承されているのではないだろうか。