なぜ今更?と言われると困るのだが、このブログのためにヘッダー画像を作った。 一つには、ちょっとさいきんアクセス数が増えてきていることによって、ブログに手を入れてみたくなったというのもある。
元ネタ
参考にしたのは映画「未来世紀ブラジル」。ブログタイトルの「未来世紀アラカワ」から分かるように。。
「未来世紀ブラジル」のポスターでは、背後が書類棚になっている。 官僚主義・権威主義を表象するものとして取り上げられているのだろう。
僕はこの映画の画面が非常に好きで、町中に張り巡らされたダクトをはじめとする奇妙な見た目の機械たちにはとても惹かれる。 その一方で、題材自体は後述のように現代では古典の域に入ってしまっていると感じており、ストーリーが今の時代に新たな気付きを与えてくれるかというとどうかなという気がする。
ヘッダー画像の意図
このヘッダー画像は、我ながらいいものを見つけたと思うのだが、神社にある「おみくじ」の引き出しを使っている。 まずくじ棒を引いて書いてあった番号の引き出しを開けるタイプのおみくじの引き出しだ。
絵としてはよく似ているのだが、おみくじは権威主義とは関係ない。 むしろ、よく生きてもらうためにアドバイスという体をとっている。
「未来世紀ブラジル」や「1984年」はやはりソ連型の社会主義が仮想敵になっているというか、民衆の欲求を否定し押さえつける権力を描いている。 ソ連も崩壊した現在我々は新たなタイプの権力と共に生きている。(北朝鮮のような国がまだ残っているということは認めつつ)
おしゃれだがそういえば寝ることができないベンチや、長時間座りたくないファストフード店の椅子のようにハードウェアによって人の行動を無意識にコントロールする権力、検索・レコメンドの結果を操作しそもそも「他の選択肢」があることを気付かせない権力、従うことの圧倒的な便利さにより従わせる権力。
環境管理型権力とか、ビッグ・テックとかそういう言葉たちがキーワードになる世界。 ドゥルーズが指摘したような権力と欲望の共犯関係といったものもある。
今の時代の権力は、嫌だなぁと感じることなく、むしろ「こんなに便利に・楽しくしてくれてありがとうございます!」と言われながら人を意のままに動かしている。 ポケモンGOなんかが好例だ。
そう言った、ポストモダンの権力像と、「おみくじ」というのは似ている部分があるのではないかと思った。 というわけで、おみくじの写真を探してクリエイティブ・コモンズのものを見つけ、背景に採用した。
このブログの方向性
日々気付いたことややってみたことなどもちまちま書きつつ、名作映画のように自分が数年後に読み返して新たな気付きがあるとか、忘れてしまっていたことを思い出させるようなブログを目指していきたい。