ジャイロエイムについて語る記事、ついにその3になってしまった。
コントローラーの表現力をポイントで表すなど、前の記事を読んで無いとちんぷんかんぷんだと思うので、ぜひ前の記事から読んでくれ 😎 「その2」では、ゲーム用で一般的なインターフェースの表現力について見てみた。その3では、あまり一般的でない高い表現力を持つインターフェースを紹介してから、いよいよジャイロエイム自体を評価してみる。
あと、今更ながら「ジャイロエイム」はジャイロ操作をエイミングに使うことなのだけどこの記事ではジャイロ操作のことを「ジャイロエイム」って呼んじゃっているのでそこはご了承ください。
続:ゲームコントローラーの表現力を上げる試み
「続」の方では、そんなのみたこと無いよという人もいるであろうインターフェースについて紹介してみる。
3Dマウス
これはなかなか触ったことのある人はいないかもしれないが、主にCAD用のコントローラーとして用いられているインターフェースである。
が、ゲームコントローラーとしての採用実績もある。
残念ながら実物は触ったことないが、紹介記事をご紹介。
片手を丸々潰してしまうが、6軸全ての操作(6ポイント)が可能なので、左手だけで6ポイントという凄まじい表現力を持つことになる。 というわけで、この「ASCIIWARE ASCII SPHERE 360゚」の表現力は右手を合わせて7ポイントということになる。
ただ、じゃあこれが最強か??となると、ちょっと話は変わってくる。
昔同じ技術を使ったCADコントローラーを秋葉原のジャンク屋で見つけて買ったことがある。
当時の記事↓ うーん、若い。(のか?)
このSpaceball 5000は鉄板が入っていてめちゃくちゃ重いのだが、6軸全ての操作を受け付けつつ本体が動かないようにするにはその重さが必要なのだろう。 それでも正直、操作には難しさがある。前後左右方向への水平移動を回転なしに指示することが非常に難しい。 前向きに移動したいだけなのに、どうしても前転方向への回転成分が発生してしまう。
Spaceball 5000ですら回転操作抜きに移動操作だけをさせるのは至難の業であった。仮にコントローラーに採用したとしても、コントローラーを抑える右手が大変なことは容易に想像可能である。
というわけで、理論上はスゴいのだが実用的な使いづらさもまたスゴいインターフェースなのである。
ネジコン
絶対的な表現力こそ低いけれども、簡単に最大限に活用できる好事例がある。それがナムコのネジコンだ。
アナログスティック普及前ということで、左手は親指が十字キー人差し指がLボタンで2.5ポイント、右手は親指も人差し指も単にボタンで1ポイント。 だが、「ねじり」があることによって、さらに1ポイントの表現力を得て合計4.5ポイントとなる。
数字としては低いのだが、犠牲にするものの少なさ 僕はネジコンを持っていたけれども、この「ねじり」操作はネジコンを安定的に保持したまま行える。パドルボタンのようにコントローラーの握りが甘くなることもない。
指に新しい役割を与えるのではなく、これまでゲーム操作には参加できていなかった「手首」を使った操作を可能にした点が革命的なのである。(これまで紹介した中だとマウスが唯一?)
ジャイロエイムはネジコンの進化版?
ここでようやくジャイロエイムに戻ってくる。
ジャイロエイム操作は、ネジコンの「手首を使う」というアイディアを押し進めた結果だと思う。 ネジコンの回転軸は1つだけだったが、ジャイロエイムでは理論上3軸使うことができる。
というわけで、Switchの表現力は通常のコントローラーは次のようになる。 左右親指がそれぞれスティック、人差し指が肩ボタンで5ポイント。加えてジャイロで3軸使えるので、合計8ポイントに達する。
ここまで紹介したコントローラーたちを抑えて、最強の表現力を持つのだ。 しかもアケコンやPCゲーミングの「理論値」のような熟達も要らなければASCIIWARE ASCII SPHERE 360゚のような難点も抱えていない。
コントローラーの表現力という観点で、ジャイロエイムは僕が知る限り最高の技術になっているのだ。 これこそが、ジャイロエイムに感じていたスゴさの答えなのだと思う。
ジャイロエイムの欠点
ただ、Switch Liteだと画面も傾いてしまうので見づらいです。
まとめ
3つの記事にわたって、なんとなく感じたジャイロエイム操作のスゴさをなんとか定量的に評価してみた。 実際に、「表現力」というゲームコントローラーが操作可能な軸の数を評価することでジャイロエイムが最強クラスの数字を出すことを示して、スゴさを伝えてみた。(これよりすごいコントローラーをご存じの方がいたらぜひ教えてください)
ジャイロエイム自体は、PSシリーズでもできるはずなのだが(PS3のSIXAXISから角度センサー入ってるはず)あまり活用されていないそうだ。 ゲームに限らずそれこそCADの操作などに取り入れ可能なインターフェースだと思うので、ぜひ普及してほしいと思ってます。
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