ロシアからの友人を迎えるという大イベントが終わり、モチベーションは下がり気味だがロシア語学習は続けている。
もうすぐ「ゼロからスタート ロシア語文法編」を一周やり終えるところだ。
さて、ロシア語にはなかなか納得いかないルールがある。そのルールについて、得てしてこういう初学者向けの参考書はルールそのものしか書いていない。 語学というのはある程度そういうのを認めなきゃいけない世界ではあると思うのだが、やっぱり理屈を言ってくれた方が納得するのになぁと思うことがある。
そんなことがらを試しにChatGPTに聞いてみたら詳しく教えてくれることに気づき、共有したくなった。
動詞の現在形は人称と単数複数で活用が決まるのに、過去形になると人称が関係なくなり性が出てくるというのが謎です。このようになっている背景を教えてください
ChatGPTのこたえ
とても興味深い視点ですね。ロシア語の動詞の活用が現在形と過去形で大きく異なる背景には、ロシア語の歴史的発展とインド・ヨーロッパ語族としての特徴が関係しています。
1. 現在形:人称と数で変化する理由
現在形の動詞の活用は、インド・ヨーロッパ語族の多くの言語(ラテン語、ドイツ語、ギリシャ語など)と同様に、主語の人称(1・2・3人称)と数(単数・複数)に応じて変化します。これは、話し手・聞き手・第三者を区別することが重要だったためと考えられます。特に、現在形は動作が進行中であり、主語との関係がより直接的なため、このような活用が残りました。
2. 過去形:人称ではなく性と数で変化する理由
一方、過去形は現在形とは全く異なる仕組みを持っています。その背景には、ロシア語の過去形がもともとは過去分詞(能動分詞)から発展したという歴史的経緯があります。
かつて古代スラブ語では、過去の動作を表す際に「~した者(=能動分詞)」という表現を使っていました。この過去分詞は形容詞と同じように性・数に応じて変化していたため、現在のロシア語でも過去形が性と数に応じて変化するのです。
例えば、動詞 писать(書く)の過去形を考えてみると:
単数
- 男性: он писал(彼は書いた)
- 女性: она писала(彼女は書いた)
- 中性: оно писало(それは書いた)
複数
- они писали(彼ら/彼女ら/それらは書いた)
このように、過去形が「動作を行った人(もの)の性」に基づいて変化するのは、もともとそれが形容詞的な要素を持つ表現だったからです。やがて、こうした表現が文法的に動詞の過去形として確立しましたが、その際に性・数の一致が残り、人称の区別がなくなったのです。
3. 他の言語との比較
ロシア語だけでなく、他のスラブ語(ウクライナ語、ポーランド語、ブルガリア語など)でも過去形に性が反映される仕組みが残っています。一方、例えばラテン語や英語のような言語では、過去形が人称変化を保つ傾向にあります(例: 英語 I wrote, he wrote など)。
また、フランス語やイタリア語などのロマンス語では、助動詞+過去分詞の形が使われ、過去分詞が主語の性や数と一致することがあります(例: フランス語 elle est allée(彼女は行った))。このように、性と数の一致が過去の表現に残るのは、ロシア語だけの特殊な現象ではなく、インド・ヨーロッパ語族に見られる発展の一形態なのです。
まとめ
ロシア語の過去形が性と数で変化するのは、もともと過去分詞(能動分詞)由来の表現だったからです。
現在形の活用が人称と数に応じるのは、話し手・聞き手・第三者の区別を重視する文法体系を引き継いでいるためです。
この違いはロシア語に限らず、インド・ヨーロッパ語族の中でさまざまな形で見られる特徴の一つです。
Perprexityのこたえ
ロシア語の動詞の現在形と過去形の活用の違いには、言語の歴史的発展が関係しています。
現在形の活用
ロシア語の現在形では、動詞が主語の人称と数によって変化します。これは、多くのインド・ヨーロッパ語族の言語に見られる特徴で、動作主と動詞の一致を示す文法的な仕組みです。
過去形の特殊性
過去形で人称が関係なくなり、性が出てくる理由は以下の通りです:
- 歴史的な発展: ロシア語の過去形は、元々は形容詞的な過去分詞から発展しました。この過去分詞は、主語の性と数に一致していました。
- 助動詞の消失: かつては過去形も現在形と同様に人称変化していましたが、助動詞(be動詞に相当)が時間とともに消失しました。
- 性の保持: 助動詞が消えても、過去分詞の性による変化は残りました。これが現代ロシア語で過去形が性によって変化する理由です。
- 文法的簡素化: 人称による変化がなくなったことで、過去形の活用が比較的単純になりました。
この変化は、ロシア語が動詞型から名詞型の言語へと発展する過程の一部と考えることができます。つまり、文法関係を示す機能が動詞の活用から名詞の格変化へと移行していく過程を反映しているのです。
両者の答えが一致しているので、どうやらこの解説は信頼できそう。
他にも納得がいっていなかったいろいろに答えてもらったのでたまに紹介します。
