ある日、ふと一度も見たことがない日本海が見たくなり、新潟へと車を走らせた。 とりあえず一番近い日本海ということで、柏崎に行ってみた。
思い出に出会う旅へ
世界最大の原発を眺めながら、帰り道のプランを立てていると、立ち寄りたくなった場所があった。 それは、石打にある「Mt.グランビュースキー場」。
小学生の頃、毎年スキー合宿で訪れていた、思い出の場所である。 (当時は「スポーツ振興石打スキー場」という名前だった。その前は「石打大和スキー場」という名前で、コロコロ名前が変わっているらしい。)
全リフトシングルで、営業している当時からガラガラなことで有名なスキー場だったそうだ。 そのおかげか、スキー・スノーボードだけでなくスノースクートだったりなんでも滑ってOKという緩いスキー場だったそうだ。 (後述するけども、大人になるまでこのスキー場しか知らなかったのでそれが当たり前だと思ってた。)
スキー場を訪れると、営業終了は2年ほど前とのことだったが、リフトの壊れ方はそれ以上に感じられた。
でもその光景を目にした瞬間、小学生のスキー合宿の記憶が突如蘇ってきた。 このリフトは一番楽しい「林間コース」のリフトだった。
「パノラマロッジ」の思い出
小学校1年から4年まで、このスキー場にある「パノラマロッジ」というロッジのジュニア合宿に通っていた。
https://web.archive.org/web/20130806052452/http://www.the-yokohama.com/panorama/
当時はこのスキー場しか知らず、全てのリフトがシングルリフトであることも、特別なこととは思っていなかった。
低学年の頃は、飽きやすい子供たちを飴で釣りながら滑るクラスにいたこと、、スキーの適性があったのか、徐々に年上ばかりのクラスへと進級していったこと、、小学校3年か4年の時には、3級のバッジテストに合格したこと。(3級はあまり受ける人がいないそうだが、2級以上は中学生にならないと受けられないことを考えれば、結構頑張った方だと思う。)
小学校5年の時に関西へ引っ越して以来、訪れなくなってしまって、いつの間にかロッジも閉業してしまったようだ。
そんなパノラマロッジもついでに見に行くことができた。
残念なこと現在では道も通っていない状態となっていた。 ただ崩れているロッジも多い中、鉄骨作りだけあってか屋根こそ落ちそうなものの建物はしっかりと残っていた。
スキー場こそもうやってないが、下の2つのホテルは綺麗にしていてまだまだ頑張っているみたい。
「パノラマロッジ」に行く「道」はもはや存在していなくて、自力では辿り着けなかった。 それで迷っていたら、上の方のセンタークラブのご主人がちょうど犬の散歩に出かけるタイミングに遭遇したので、道を教えてもらった。
また、Mt.グランビュースキー場ももう営業再開することはないだろうという見込みも。
懐かしさをわざわざ追い求める
柏崎から直帰せず、ここに寄ったことで2時間くらい余計に時間がかかったし、時間もだし山道を登るのも大変だしで、20代の頃はこんなことをしていなかったんじゃないかと思う。
オードリーのラジオで、若林さんが「歳をとると『懐かしい』という感情がすごく気持ちよくなる」と話していたのを思い出した。その感覚が、今の自分にもわかるようになってきた気がする。
懐かしいものを見るとすごく落ち着くようになってきてしまったし、そのために頑張るとかお金を払うようになってきているように思う。
学生の頃は、いい年して子供の頃のおもちゃだったりスニーカーを買い集めるおじさんは、何がしたいんだろうと思っていた。 けど、とりあえず観れば「懐かしい」という快感を得られるものを自宅に置いておくのは理にかなっているのかもしれない。