はじめに
ルーマニア旅行を考えている人におすすめの情報。
Romanian Friendというルーマニア限定のTripAdvisor的なサイトがある。ここの特徴が、現地のフリーランスのガイドのツアーを予約できること。 このツアーは他のサイトで予約するよりも安いし、プライベートツアーなのでめぐる場所を一部変えてくれたり融通がきく。そして彼らのマイカーで移動するので、利便性が高いとは決して言えないルーマニアの公共交通機関に頼らず行きたいところをめぐることができる!
僕は以下2つのツアーに参加した。
↑ ページがなくなってしまったっぽい?けどコービン城を中心にいくつかめぐるツアー。
↑ シギショアラを中心にしたツアー
これからルーマニア行ってみようかなという人は、一度みてみることをおすすめします。 ここ経由のツアーを使って巡った記録を書いていきます。
A28 地球の歩き方 ブルガリア ルーマニア 2019~2020
- 作者: 地球の歩き方編集室
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド・ビッグ社
- 発売日: 2019/03/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2019年のマルタ短期留学に関する記事はこちら↓
ツアー1 コービン城
この日のツアーはAlexという元プログラマーだったけど今はバックオフィス業務をしているという人がガイドだった。本当は次のツアーと同じ人だったんだけど、他の予約があるとのことで変更になった。
コービン城
日本ではルーマニアの城といえばブラン城が有名だが、ガイド氏いわくブラン城は宣伝がうまくいっただけでルーマニアで1番よい城はコービン城だという。
僕が行ったときは巨大な国旗が城にかけられていて、外観のいい写真がとれなかった…。
ハンガリー王マーチャーシュ1世を排出したコービン家の城。
ルーマニアはキリスト教圏とイスラム圏の最前線だったということで、戦うための設備が多数残っている。コービン家はトランシルヴァニアの名家という説明だったが、その割にはハンガリー王だったり、この辺の国境について語ることの難しさを思い知らされる。
アルバ・ユリア
こちらはローマ時代に遡る歴史を持つ要塞なのだが、現在の姿は星形要塞。
中ではローマ人兵士やダキア人兵士の扮装をした人たちがショーをしていたりした。
残念ながらそこまで景色がきれいなわけではないんだけれども、ルーマニアがいかに周囲を囲む大国によって支配されてきたかを物語るものになっている。
ルーマニアの人にとってはこの場所は重要な場所であるらしく、トランシルヴァニア・ワラキア・モルドビアと3つに分かれていたルーマニアが統一されることが宣言された場所でもある。というわけでそれを記念するモニュメントがあったり。
Cetatea Trascăului
この日の最後は、都市部から遠く離れ山に囲まれたところにある、城の廃墟へ。数百年前に滅ぼされ、そのままのこっているのだという。
しかも城に向かう道には毒蛇がでるというなんともRPGに出てきそうなスポット。(気温が低かったので蛇は今は活動してないよ、ということで登った)
↑遠くに見えるのがその城
ここは当初のツアー予定には入っていなかったんだけど、Alexがおすすめだということで行くことになった。ただここは本当にいってよかった。
ツアー2 サリーナトゥルダ・シギショアラ歴史地区
サリーナトゥルダ
今回の旅の最大の目的、地下100mの遊園地。かつては岩塩を採掘していた鉱山だったのを遊園地に改装したものである。
遊園地と行っても、遊園地としての規模はそんなに大きくなくて、アトラクションは小さな観覧車と地底湖のボートくらい。あとはビリヤード・卓球・ミニゴルフ・ミニボウリングができる。 地下100mで卓球をするというのも面白い経験かもしれないけど、やらなかった。
壁に触れたあと指を舐めてみたら、当たり前ながらしょっぱい。
この鉱山の深い部分はオーストリア=ハンガリー帝国支配の時代に作られたもので、各穴にハプスブルク家の人物の名前がつけられている。ボートに乗れるもっとも深い部分はテレジアという名前。
この巨大な穴を人でのエネルギーだけでほったというのだからすごい。化石燃料や電気を使って掘ったのではないという。
ビエルタンの要塞教会
世界遺産「トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群」の一つでもあるビエルタンの要塞教会。
数多くの敵にさらされるルーマニアの村では防衛設備を整えるのだが、村全体を囲む防壁が作れるほど豊かじゃない村は最重要施設の教会だけを要塞化したという。教会の中には「ベーコンタワー」という保存食を貯蔵する塔があり、村人は各家庭この塔に食料を貯蔵することを義務付けられていたとか。 敵が攻めてきたら、みんなでこの教会に立てこもり、数週間は耐えることができるようになっていたという。
シギショアラ歴史地区
こちらも世界遺産、シギショアラの歴史地区。
ここはトランシルヴァニアだけれども、ワラキア公ブラド・ツェペシュ(=ドラキュラ伝説のモデル)が生まれたのはこの街。ドラキュラ推しでやっているアトラクションもいくつかはあるけど、おとなしい。 まだまだ安い観光業に汚染されていない感じがしてとてもよい。
ここもモンゴル帝国やオスマン帝国といった数々の敵によって狙われてきたという。イスタンブールからウィーンに向かう街道が近くにあったため、特にオスマン帝国が脅威だったようだ。
余談
ルーマニアのおみやげとしては、「ジェロビタール」という化粧品がよく言及される。
ジェロビタールH3 エボリューション アンチリンクル コンセントレートクリーム withヒアルロン酸 (3%) 50 ml / 1.69 fl.oz. [ 並行輸入品] [海外直送]
- 出版社/メーカー: ファルメク SA (FARMEC SA)
- メディア: ホーム&キッチン
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日本にも輸入されているけど、1/3-1/6、ひどいものだと1/10くらいの価格で買える。 スーパーでも売っているし、ツアーガイドの人も使っていると言っていたので現地でも普通に使われている品だ。
これはニコラエ・チャウシェスクの妻だったエレナが権力を濫用して、アンチエイジングの研究をさせていたことによって生まれたものである。 というわけで、単に化粧品としても使える上にルーマニアの歴史が詰まったお土産品としても好適。
メーカーがクルジュにある関係で、クルジュ=ナポカで買うのが1番安いのだという。
ルーマニア総括
ハンガリー(後にはオーストリア=ハンガリー)やモンゴル帝国、オスマン帝国といった国々に支配され、そしてつい最近までは共産主義政権に…という歴史を感じられるのはもちろんだったが、豊かな自然もまた見どころだった。
キリスト教圏ヨーロッパ側のイスラム圏やモンゴル帝国との最前線であったのももちろん、ヨーロッパ側からもハンガリーやロシア(ソビエト)といった数多くの強国に囲まれ、ルーマニアが独立していたのは歴史上でもほんのわずかな期間に過ぎない。 それでも民族のアイデンティティを失わなかったのは不思議だなぁと思う。
それが良いことなのか悪いことなのかは正直わからないけれども。
(特に西)ヨーロッパ人にとっても旅行先にあがらないような、まだまだ訪問先としてはメジャーではないルーマニア。 しかしそのおかげで観光客もそれほど多くないし、どこにでもあるような観光客向け商売がまだまだそこまでおらず、豊かな自然と歴史を感じられるとてもよい国だった。
もしルーマニアに興味を持った場合は、ブカレストではなくクルジュ=ナポカを観光の起点にすることをおすすめします。
※クルジュ=ナポカはルーマニア第二の都市ながら、観光客も少なくブカレストにいるような観光客狙いの犯罪者も少ないらしいしシギショアラ歴史地区や要塞教会にも近い。 ブカレストも綺麗な街だというが、ルーマニアの電車は信用できないし長距離バスも本数少ないしなので飛行機で行くことがおすすめだそう。