山手線など、都心部のJR電車車内には無駄に液晶画面がたくさんついている。これまでも有効に活用されていたかは疑わしいが、さらにそこで流れる映像が4月から変わっていた。
TRAIN TV
これまでも任天堂の広告として短いクイズ番組は流れたりはしていたが、それもJRグループ制作ではなく任天堂制作の広告という形をとっていた。
しかし、そこにTRAINTVというブランド名がついて、広告や企業制作動画だけではなくオフィシャルに「番組」を流すようになっていた。 TVを名乗っている以上、番組の面白さで画面を見させて、広告枠としての価値を高めたかったということなんだと思う。
上記記事によれば
TRAIN TVでは編成を大幅に見直し、全体尺の6割強を番組コンテンツに充てる。「いまだけ ここだけ 電車だけ」をスローガンに、オリジナル番組を配信、思わず視聴してしまう空間をつくり出す。
とある。
その番組が面白いかというとコメントが難しい、、 Z世代をターゲットにしているというが、、これで喜ぶのは小学校低学年くらいなのでは?という番組が多い。
元から、電車内ではみんなスマホに夢中になっていて、あの画面を見ている人ってほとんどいなかったように感じる。 残念ながら、TRAIN TVになったからといってそれが変わったようには感じられない。
余談:OOHとは
このTRAINTVのように外で広告を配信するためのメディアを今は総称してOOH(またはODM)というらしい。 Out Of Home の略で、わざわざ横文字を使う必要があるのかとも思うが、、。
タクシーの画面にも広告が流れるようになって久しいが、最近はエレベーターにも流れることがある。 ドアが閉じると同時にプロジェクターでドアに映像を映し出すようなエレベーターにたまに出会うことがある。
公共交通の役割
読み始めた雑誌「事業構想」の最新号のある記事には、「公共交通」が収益事業として成立しているのは日本くらいしかないということが書いてある。
もちろん、これは全国で成り立っているということを言っているのではない。 国鉄を地域ごとに分けて東京・名古屋・大阪を抱える3社が北海道や四国の路線と切り離されたことや、域内でも不採算路線を第三セクターとして切り離した結果、採算が取れてしまっている会社が生まれたということを指している。
ちなみにこの雑誌を読み始めた経緯
もとよりSuicaという巨大な決済プラットフォームを持っていたが、さらに鳴物入りでJREポイントなんてものを始め、さらにJR BANK(実態は楽天銀行)も始まってポイント経済圏競争に参入したり。
東北や新潟の方の観光地行くと、駅の周りにおそらくかつては栄えていたであろう寂れたお土産屋さんの跡があって、駅ナカの土産物屋に人が溢れている様子を見ることがある。(越後湯沢駅とか)
JR東日本は私企業なのだが、これは民業圧迫なんじゃないかと感じることがある。
国鉄時代に一等地に駅を作ってもらった資産を引き継いだ上に駅ビルを建てたらそれは「強くてニューゲーム」状態なんじゃないかと。
公共交通は「嫌なら乗るな〜」が成り立たない業界である。 多くの人は通学通勤に電車に乗らざるをえないようになっている。
その空間を「広告のプラットフォーム」だと勝手に盛り上がっているのは一線を超えているような気がするのだが、どうか。
動かない中吊り広告と違って、動きがついてしまうと人間の本能として見てしまう。 移動のために運賃を払ってるんだけどなぁ、と。