IMAX・ドルビーシネマ・screenX・・・映画の上映規格アレコレ

トップガン マーヴェリックの話をしていると、IMAXで見るとすごいだとかscreenXがすごいだとか上映企画の話が出てくる。 IMAXって言葉は聞いたことあるけど、そういえば何が違うのか?と思って、調べてみた。

本来は8月の内容にしたかったがコロナワクチンのおかげで9月に延期されてます。

覚えるべき上映規格

覚えるべきものは、

IMAX・ドルビーシネマ、4DX、MX4D、screenX

これらは、映画のデータそのものが違う規格になる。

IMAX

IMAXという単一企業が動画・音声・その上映設備の総称。("IMAX" は1960年代からあるらしい) 映画でIMAXというときはIMAXデジタルシアターのことを指し、

  • 通常よりも大きく縦長のスクリーン
  • 2台のプロジェクターを使って高コントラスト
  • チャンネル数の多いスピーカーシステム
  • 傾斜のキツイ観客席

といった特徴がある。

本当のIMAX規格の映像はIMAXカメラというカメラで撮影する必要がある。 このカメラは今でも「フィルム」というのが特徴。デジタルのイメージセンサーの解像度では足りないということらしい。 (というわけで、IMAXの上映設備の最上級は実はデジタルではなくフィルム方式!ただし日本にはない。)

IMAXの中でもアスペクト比が異なる規格があり、上位規格の方が正方形に近い。画面のアスペクト比は横が大きくなる方向に進化してきたが、揺り戻しがあるということだろうか。 クリストファーノーラン監督はこのIMAXの上位規格がお気に入りのようで、本来監督が見せたい映像はIMAX レーザーGT対応館でしか見られないんだろう。 他のシアターでは、上下がカットされた映像を見ることになる。

ドルビーシネマ

高クオリティな映像の「ドルビービジョン」と、オブジェクトベース音響の「ドルビーアトモス」の組み合わせ。 (ドルビーアトモスのみ対応のシアターなどもある)

映像の方は、IMAXと同様2台のプロジェクターで上映することで高コントラストを実現している。

オブジェクトベース音響とは、音声データがスピーカーごとの音声データという形ではなく、それぞれの音の「位置」という情報を持っているもの。 スピーカー配置が異なる劇場であっても、同じ「角度」から音が聞こえるようになる技術らしい。

他にも、インテリアの色が統一されているとか、椅子が広いとか設備面にも基準がある様子。

4DX、MX4D

テーマパークのアトラクションのように映像に合わせて座席が動いたり風が吹いたりするやつ。

4DX | USシネマ・千葉劇場USシネマ・千葉劇場

MX4D™ || TOHOシネマズ

アトラクションのスクリプトが結構違うようで、調べると4DXの方が良いという声が圧倒的に多い。 MX4Dの方が演出が大味なようだ。

screenX

ScreenX 視界の限界を超える270° 3画面ワイドオープンスクリーン - ユナイテッド・シネマ

スクリーンが3面あるというもの。

対応映画であっても、3面スクリーン使われるのシーンは一部に限られるみたい。

4DXとscreenXは両方とも韓国のCJグループの開発。というわけで4DX Screenという合わせ技がある。

それ以外の劇場独自規格

それ以外に、TCXとかLivezoundとか色々調べると出てくる。 しかしこれらは各映画館レベルの工夫であり、あまり気にする必要はない。 「スクリーンサイズを通常よりも大きくしました」「他スクリーンよりも高級なスピーカーを使ってます」程度のものである。 もちろん体験はアップデートされるだろうが、他の規格のように上映される映画が変わるわけではない。

ドルビーシネマ体験

今回は調べ学習をしただけでなく、実際に体験もしてきた。

題材はもちろん「トップガン マーヴェリック」。体験した上映方法は「ドルビーシネマ」。

公開から4ヶ月経っていることもあり、通常上映以外を探すのに苦労した。そしていける範囲で見つかったのが MOVIX埼玉のドルビーシネマ上映だったと言うわけ。

チケットは通常より500円高くて、2400円。

噂通り、劇場全体が黒くなっていて光の反射が抑えられているのと

屋上には大量のスピーカー。

本編上映前に、ドルビーアトモスとドルビービジョンのデモが流れる。 ドルビーアトモスのデモでは、画面上を球体が移動して「その球体がある方角から音が聞こえるでしょ」というもの。 これは確かにスゴイ。

ドルビービジョンの方は、「今までの映画の黒はこれ、でもドルビービジョンはさらに黒いでしょと」いうデモが流れる。


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うちもテレビの代わりにプロジェクターを使っているが、たまに実家の4K液晶テレビを見ると圧倒的に鮮やかに感じるのだが、それくらい鮮やかな色が見られる。

ではドルビーシネマはいいのか?

では、ドルビーシネマで見て体験が向上するか?これについては、正直なところどうかなーと思った。(映画をたまにしか見ない人の意見としては。)

ドルビーアトモス

トップガン マーヴェリックではコックピットを前から写すような映像が多く見られる。

「トップガン マーヴェリック」が初登場首位-北米映画興行収入 - Broomberg

このシーンで、マーヴェリックの乗る機体に後ろからミサイルが迫ってくる。このシーンで観客にミサイルの音を聴かせるにはどちらから音を聴かせたらいいのか??

あと、映画にはBGMがつきものである。このBGMは、観客の空気を盛り上げるためであって映画の中の世界に流れているわけではない。このBGMはどの方向から聴かせるべきか??

これらに対する制作側の答えは、「普通のスクリーンのように普通に前から聞こえる」。

よく考えたら、映画って音を出す人やモノが画面にうつっているシーンがほとんどだから後ろから音が聞こえてほしいシーンはあんまりない。

これまでの映画館の音響設備のもとで進化してきた「映画」の制作法と、ドルビーアトモスは言うほど相性が良くないのでは?と思った。 ホラー・サスペンス系作品でびっくりさせる効果がある程度で、4DXの「風が出ます」的な色物演出に近いかなと感じてしまった。

ドルビービジョン

ドルビービジョンは確かに言われてみればトムの黒髪の黒が黒い気がした。 けどこちらも、トップガン マーヴェリック自体が色彩が豊かな映画ではないなと気付いた。😇

砂漠、薄汚れたキャノピー越しの空、灰色の戦闘機、、、どれもデモ映像で見た色の鮮やかさとは反対にある。

ダークスターのスクラムジェットエンジンの光や、高高度飛行の星空なんかは綺麗だった。

そのほか

単純に肘掛けが左右ともに専用になっているなど、座席はなかなか快適。

僕のドルビービジョン評

上映前デモ映像の時はドルビーアトモスもドルビービジョンも確かにスゴイ技術力を感じたのだが、コンテンツの方がその技術が生きるように作られていないので本編を見ている間はどちらもスゴさを感じられなかったかなぁというのが正直なところ。 (ドルビービジョンの方は、作品によってはもっと輝けていたと思う。)

今はまだ実力を生かしきれていないかもだけど、ドルビーシネマのような先進的スクリーンが増えれば、それに合わせた映画作りも進化していくと思うので、余裕があればお金を落としていく、、くらいの気持ち。


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