Nokia 9 Pureviewシリーズ第3弾です。
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Pureviewの称号
さて、Nokia伝統のPureviewを冠しているとおりNokia 9はカメラに特化したスマホです。過去のPureviewシリーズは携帯カメラよりも大きいセンサー、高密度な画素という志向でした。 4100万画素のカメラで話題になった808がその代表です。
(とはいいつつ、僕はPreviewのついた端末を買ったことがないし、808とLumia 1020だったかくらいしか知りません。他にもシリーズ出ているんでしょうか??)
しかし、Nokia 9 Pureviewはセンサーサイズ自体は一般的な携帯サイズですし、画素数も1200万画素と数字で言えばかなり控えめに感じるレベルです。 Mate 20 Proのメインカメラは4000万画素とかいっているのに比べるとだいぶ小さく感じます。
かつてのPureviewシリーズは、センサーを強めてオーソドックスなカメラの高画質化をはかるアプローチをとっていたのに対し、Nokia 9 Pureviewは画像処理ソフトウェアによって高画質化をはかるカメラで言えば非正統的なアプローチを取っています。 ちなみに、Nokia 9 Pureviewの設計は16眼カメラ L16 で注目を集めたLightが協力しているそうです。
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カメラアプリの比較
届いてからそこそこカメラを触っているのですが、ちょっと気づいたことがありました。Nokia 9 Pureviewの標準カメラアプリで、「Pro」 モードにしたときのスクリーンショットがこちらです。
設定できる項目が、ホワイトバランス・ISO感度・シャッタースピード・露出補正のわずか4つしかありません!
ちなみに、比較として前まで使っていたHuawei P10のカメラアプリで「Pro」モードにしたときはこんな感じです。
前述の要素に比べて、AF/MF(MF撮影もできる)だったり、測光モードの変更だったり。また、ワイドアパーチャをONにするとProモードの設定はすべて消える代わりに、F値をいじることができます。
ついでに僕がNokia 9 Pureviewを買うタイミングで家族がNokia 6.1 Plusを購入したのでそちらのProモードも。地味にこちらもMFで撮影できるみたいです。
Nokia 6.1 Plusは2万円台でも買える安価な端末のわりにデザインがとてもよくまとまっていてかっこいいです。
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カメラアプリについて考察
最初は、カメラを売りにしているはずなのにいじれる項目が競合はおろか自社の下位グレード機種にも負けているとはどーいうことなのか?と思いました。 しかし、これはあるポリシーがあるのではないかと。
Huawei P10のカメラは、F値をいじる設定がありますが実際に絞っているわけではありません。ソフト的に作り出しているボケの強度を変えているだけです。 フォーカスも実はマルチカメラである以上どこにあたっているかわからなかったりします。深度を後から合成している以上、複数のカメラはそれぞれ違うところにピントが合っているはず。 さらに露出もマルチカメラの露出をそれぞれ変えて撮影してそれを合成することでシングルカメラではなしえないダイナミックレンジを実現しているわけです。
1眼のカメラでは意味を持っていた設定値が、マルチカメラでは実は一意に定まらないということになってしまっているわけです。
Huawei P10のカメラアプリは既存のカメラに親しんだ人でもわかるように、1眼のカメラ用語でそれを表現しています。
しかし、Nokia 9 Pureviewのカメラアプリは、そういう厳密に言えば嘘になる部分を排除して、実際に撮影時に意味を持ちうる値のみを撮影時に設定するようになっているのかもしれません。
その代わりに、あとでボケ味も色もいじり放題になっています。
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Nokia 9 Pureviewのカメラアプリはストイック
ほかにも、今となっていはスマホカメラの必須機能と言えるフィルター機能も撮影時には利用することができません。 申し訳程度にBeautyという美肌機能がついていますが、撮影時に利用できるエフェクトはそれだけ。
楽に映える写真が撮れるのを目指すOPPOなんかとは対極のストイックさです。
とにかく、撮影時は生に近いデータを保存してやるから編集・加工はあとでやれ!というメッセージを感じます。 なんてったってRAW画像を保存してスマホ版Lightroomで現像するということもできるくらいですしね。
エフェクト機能なんかを5眼対応させるのは難しいでしょうし、もともと写真愛好家やプロ写真家をターゲットにしているそうなのでこういう割り切りが個性をきわだたせていますね。
とはいえ、UIとしてはHuaweiのカメラアプリのほうがはるかによいですね。。もうちょっと頑張って欲しいです。