スマホカメラへの期待と裏切り
Huawei P10以降、スマホ買い替えの基準はカメラだった。P10は、当時としてはスマホのカメラってここまですごいのか、とびっくりした。P10の特徴は同じ画角のモノクロカメラとカラーカメラがふたつならんでいて、一枚の写真を撮るときに両方のカメラを使い多くの光を取り込めるというところ。ソフトウェア的な部分も良く出来ていて、(疑似的にではあるが)デジカメのように絞り・シャッタースピードといったものをいじってマニュアル撮影もできる楽しみがあった。
当時は富士フィルムX20という、エントリーグレードの高級デジカメ(変な表現ではあるが)を持っていたが、それを手放してもはやデジカメなんていらない、スマホがあればよいんだ、と思った。
それ以降、スマホを買うときは基本的にはカメラ重視で選ぶようになった。しかし、P10以降あまりいい目にあっていない。
まず、鳴り物入りででてきた5眼カメラNOKIA9 Pureviewは解像度は確かに高いのだが、JPGで撮影すると色が変。だしそもそもカメラ周りの不安定さがひどくて正直つかいものにならなかった。
その後買ったMi9SEは、最近主流の画角が違うカメラが搭載されたマルチカメラ。 一応メインカメラがフラッグシップのMi9と同じで4800万画素のSONY製モジュールということで、買った当初は確かに満足していた。 しかし、どうも筐体の強度が低いのか、肉眼ではっきりわかるレベルで歪んでしまうという事態に。それが原因なのかカメラモジュール内に水分が入ってしまって、今ではメインカメラ・望遠カメラはもやがかかったような写真しか撮れない。
というわけで、よくよく考えるとP10以降ろくな目にあっていない。NOKIA9もMi9SEも決して安くはない買い物なのだが。
ひさしぶりのカメラ
そこでふと思い立ち、父親が昔使っていた、オリンパスE-PL1というとても古いデジカメを長期的に借りて、ひさしぶりに専用カメラを持つことにしてみた。(今はE-M10Mk2を使っている)
2010年3月発売ということで、もう10年以上前の機種となる。
そして、これに合わせて単焦点レンズを買ってみた。何度か写真教室に行ってみた際に、カメラうまくなりたいなら単焦点レンズをつけて、足で画角の感覚をつかめと言われていたのを思い出して、、。
最初は50mm(35mm換算)ということでもあったので、まずはオリンパスの25mmから。これがまあ、なかなかいい感じ。
(人を撮ったやつだともっといいサンプルがあるのだが、、風景はまだうまく撮れていない)
E-PL1は古い機種ということも有りWiFiで画像転送といった便利機能はついていないのだが、iPadはほぼ常に持ち歩いているのでiPadにSDカードリーダーをつなげば即取り込める。 確かにひと手間は多いが、インターネットへの投稿もすぐできる。
スマホの高価格化が進んだことで、かえって3万円くらいでミラーレスを買ったほうが同じ額でよい体験ができるようになっている気もする。
デジタルカメラ市場
一方世の中は、スマホが高くなったおかげで他に回すお金がなくなるという方が主流なのかもしれない。
デジタルカメラ市場は、現在ほぼ壊滅状態だという。ヨドバシカメラにいっても、コンパクトデジカメというコーナーはほぼなくなっている。 カメラコーナーで隆盛なのが「フルサイズミラーレス」のコーナー。もとはソニーが先鞭をつけた市場だと思うが、利益率がよいからか猫も杓子もという感じで入ってきている。 (カメラがバカスカ売れていた時代がほんの一瞬のバブルだったということも否めないが、だからといって潮が引くように金持ち以外お断りね、という姿勢を見せてしまうのは、文化としてどうなのかなぁ)
しかし、たしかに本体だけなら一眼レフより小型かもしれないが、レンズまで考えると全然小型化もしていない。 その上、価格の方もちょっとはじめてみるのに20万円スタートといった具合。 ある人のブログで、今のカメラ市場は、写真を撮ることが好きでもないのに高い機材を買い揃えてスペックをテストするだけの「カメラテスター」に支えられているという記事をよんだが、売り場の様子を見ると確かになぁと思う。
カメラメーカーの中で、平均単価が一番高いのはソニーだそうで、カメラに限らず今のソニーを見ていると商売上手だなぁと思う一方で、実際に売り場に並んでいる姿を見ると、これっていつ使うの?と思う。 旅行に行くとき、これを携えていくというのは自分には想像できないなぁと思う。
E-PL1には、首掛けストラップを付けずに昔の携帯用みたいなハンドストラップをつけているだけなのだが、これでもまったく不安がないくらい軽い。 コートだったらポケットにも入らないこともなく、スマホと使用感ではそう劣るものでもない。
このサイズのよいところは、レンズを複数持ち歩いても軽いというところで、センサーサイズの小ささをレンズ交換がおっくうじゃない(=明るい単焦点レンズを実用的な範囲で持ち歩ける)というのがシステムとしていいなと思う。 なにより、お小遣いでそこそこのレンズが買えるのが、、