by タカラトミー
僕とベイブレード
僕はベイブレードの本格的な流行がはじまってからすぐに関西に引っ越しをした。
引っ越しの際に、どういうわけか年下の母親の職場の知り合いの子に持っていたベイブレードを全てあげてしまったのと、それまで住んでいた船橋ではあんなに流行っていたベイブレードが西宮では全然流行っていなかった。
ということもあって僕の中のベイブレードは、瞬間風速こそ凄まじいが、短いブームだった。
子供ながらの気遣い
西宮の小学校は、「遊戯王は高いから」みたいな理由で当時は全然人気のなかったポケモンカードが流行っていて、不思議だなぁと思っていた。
西宮北口と言えば、日本でもトップクラスにお受験熱が高いエリアであるが、お受験組はやはり余裕がある家庭である。クラスの中で、社会階層が違う人たちがいるというのはなんとなく感じた。
というのと僕が西宮にいたころは直前まで家の前の公園に仮設住宅があったらしいくらい震災の爪痕が色濃かったのも影響あるかもしれない。 今になって考えると阪神淡路大震災のせいで余裕のなくなった家庭も多い中、金にものを言わせて楽しむようなおもちゃは自主規制しようという子どもたち同士微妙な気遣いがあったのかもしれない。
どうやら最近はポケモンカードも流行り始めて、金に物を言わせてたのしむおもちゃになってきてるらしいが。
狂乱のベイブレード
船橋に住んでいた頃に話は戻る。
僕の周りでベイブレードが流行り始めたのは、ドラグーンS(ストーム)などのSシリーズが「主人公機」だった頃。 そして、コロコロコミックでは次の世代であるドラグーンF(ファントム)などFシリーズが宣伝されていた。
このころからベイブレードは狂乱ともいえるブームの様相を見せていた。 世の親御さんたちは我が子を喜ばせるために予約のできるおもちゃ屋を探して駆け回っていた頃だろう。
一人でデパートのおもちゃ売り場にいた僕に、困り顔のおばあちゃんが「あの〜、ベイブレードって、どれを買ったらいいの?」と話しかけてきたのを覚えている。
僕は親におねだりをなかなか言い出せないタイプだったので自分からおねだりをしてはいないのだが、どういう手を使ったのか母親が簡単にドラグーンF(ファントム)・ドライガーF(ファング)・ドランザーF(フレイム)を三つ持ってきてくれたのを覚えている。 買ってきてくれるのも嬉しかったし、ドラシエルF(フォートレス)を外していたのも、子供心がわかっていたのだろうか? (龍とか虎に対して亀っていうのは、子供にはわからないよね。防御重視っていうのも。)
実際には、ゴムの軸なんてコマとしてはアホみたいに弱いのでドラシエルが一番強いらしいが。
その後のドラグーンV(ヴィクトリー)などVシリーズは、コロコロコミックで情報こそ見ていたものの、前述のようにベイブレードからは離れることになった。
今思うこと
SとかXとかZが一般的には強いアルファベットとして用いられるイメージがあるが、ベイブレードのSの後にFっていうのが子供ながらへ〜と思った。
これ以降、SとFが一文字でどちらがかっこいいアルファベットか?と聞かれたらFのほうがかっこいいと感じるようになった。
ソニー製品もよくアルファベットでランクを表そうとする。 VAIO、XperiaはハイエンドモデルがZとかSを多用し、ミドルクラスとかエントリークラスはCとかEとかが多い。 メルセデス・ベンツもS・E・Cみたいな序列がある。
日本語のひらがなカタカナで「ゾ」には高級なイメージがある、「エ」には先進的なイメージがある、「ム」には手頃なイメージがあるといったイメージはないけれども、なぜアルファベットはそういうのがあるんだろうか?
ベイブレードの思い出ではなくなってきたが、ベイブレードと聞いて思う。