返品の可能性もなくなり、自由に使えるようになったので使い始めてみた。
まずこいつの売りはなんといっても液晶パネルである。iPad mini retinaと同じく2048*1536の解像度を誇り、おかげでDPI調節をしないとなにもかもが小さすぎて使い物にならない。しかもDPI調節をすると対応してないアプリケーションの表示が汚くなってしまうという。まぁそういう側面もあるけれども、かなり綺麗。
実はこの解像度のいいところは綺麗さだけではなく、アスペクト比が4:3であることもあげられる。縦横いずれで使っても非常におさまりがよい。
バッテリーはそこまでもつという感じではなく、T100TAには劣る予感。ただしスリープが使える。T100はスリープに深刻な問題があってスリープではなくハイバネーションを使わざるを得ないので、瞬時に復帰してくれるのところはいい。
2chを見る限り電源周りの品質に相当ばらつきがあってひどいやつは全然使い物にならないみたいだが、自分のは大丈夫だった。
まぁT100に劣るとはいえ普通に使うぶんなら一日もつだろう。
そのぶん性能の方は控えめというか、かなり割りきらないといけない。
軽さはすばらしい。持った感じプラ部分が非常に安っぽいんだけれども、この軽さなら許せる。
キーボードとマウスを載せてもこの軽さ。週刊青年漫画(ヤングなになに系)がほぼ同じ重さらしい。
Core i7(嘘) Radeon(嘘) 横は完璧にサイズが合うけど、縦は少しタブレットのほうが長い。 |
これはX89の問題では無いのだが、キーボードについては問題がある。
いろいろなところがいろいろな名前でiPad mini用キーボードを出しているが、ヒンジ付きのものは調べた限り2種類しか存在しない。
ひとつは写真に写っているやつで、bookey proという名前が有名。キーがぐらぐらしているし、配置も変態だしなにより絶対的なキー数が少ない。(Windowsで使う文にはBackspaceキーしか使えず、Deleteキーがない。)このキーボードはかなり打ちづらい。
もう一つはスイーベル機能付きのやつで、品質はかなりマシなのだがAliExpress価格でも35ドルと少々値が張る。しかもiPad miniを全体包み込むようなハードケースなので、同寸なだけでボタンやカメラの配置が全く異なるX89では使えない。
両者iPad miniでの使用を前提に作られているのでポインティングデバイスがない。このサイズでトラックポイントつきのキーボードを出してくれないだろうか…。
こまかいところだと、microSDのスロットがよく出来ている。T100のものはmicroSDがはみ出る仕様なのでいつのまにかイジェクトされていることがよくあるが、これはくぼみが付いているので安心。中華パッドといえば安かろう悪かろうだったのはもはや昔の話で、今やこういう細かい心配りまでできるようになっている。
ASUSも見習って欲しい |
この組み合わせの寸法はだいたい200mm*145mm*20mm*600gとなるのだが、これと近いPCを探してみるとVAIO Pが245mm*120mm*19.8mm*595g。CMのせいでお笑いプロダクトみたいなあつかいになっているけどVAIO Pそのものはかなり尖った意欲作だし、いまだに使っている人を見る。(ちなみにLOOX U/G90は204mm*106.5mm*23.8mm*495gなのでさらに一回り小さい)
UMPCやそれに類する商品はここ数年全くと言っていいほど新製品が出ていない。だからIS01だとかVAIO PだとかLOOX Uだとか旧時代の製品をいまだに使っている人たちがいる。こいつはその地下でくすぶっている需要を一気にさらうことができるんじゃないだろうか。
かつてのUMPCといえば小さいだけで性能もポンコツでバッテリーももたない、そのうえアホみたいに高いというものだった。
しかしBaytrail AtomはかつてのAtomに比べて性能も劇的に向上したのに省電力。おかげでWindows搭載のPCですら駆動時間8時間や10時間というものも出てきた。価格も安いものならかつてのUMPCの十分の一くらい。
Willcom D4のようにポケットに入るほど超小型とはいかないけれども、7.9インチは立ったままDS持ちで使えるギリギリのサイズではある。
この7.9インチタブレットにキーボードの組み合わせは意外と大きな可能性を秘めていると思う。
(全面タッチパネルの) スマートフォンやタブレットの登場以降どれも似たり寄ったりで尖った製品の出ないモバイル市場だが、工夫次第では昔よりも面白いかもしれない。