先日、機会に恵まれて?こういう人間クレーンを初体験したんですね。
こういうのをやったことある人がどれくらいいるか知らないが、あまり多くはないだろう。というわけでまずは概要について説明しよう。
吊るされるためには、まず直立した状態でハーネスを付ける。やるまで知らなかったんだけど、実は面で支えられるようになっておらず、下の写真にあるように線で局所的に支えるようになっている。
YO! SAY! なつがむねをしげきする〜 |
安全のため、ハーネスはけっこうきつく締められる。締めあげられた状態では、腰を曲げることができないくらいだ。そしてハーネスをつけた状態で、徐々に上から引っ張られていく。だんだんと普通に立つことができなくなり、つま先立ちになっていく。この段階でもっとも体重がかかる、太ももに巻き付いているストラップが食い込んで痛みを覚え始める。
つま先立ちでギリギリ立てるくらいにまで引っ張りあげられたら、いよいよ吊り下げ。前に倒れ込むようにすると、足が地面から離れて完全に宙に浮くのだ。
ハーネスは面で体を支えるというより線で支えるという感じなので、腕の付け根と太ももにストラップが食い込み、ひりひりとした痛みを感じる。また、身体の中心部分しか支えられていないため、頭部はもちろん四肢が重力に引かれているのを体感する。
生まれて初めて吊るされたわけだが、実際吊るされてみるとなかなかいい経験だった。
普段われわれは生きていて、身体の表面を意識することはない。ぶつけたりしないかぎり、はっきりと意識ができている部位って頭部と両の手くらいではないだろうか。視覚的にはわかっていても、目を閉じた状態で自分がどんな形状をしているかに実感はもてない。
普段の感覚はこんなかんじ |
吊るされることにより、身体の表面に痛みを感じる。また身体の中心部を吊るされることで、それによってはじめて自分の身体形状を実感したというか、身体の中心に胴体があり、そこから首と四肢が伸びているんだなぁとしみじみ思った。
さらに釣り上げられているあいだ常に四肢の根本表面にヒリヒリとした痛みは常に感じている。身体の表面感覚これによって、中央から四肢が伸びているというトポロジックな構造のみならず四肢には太さがあるんだということも。
世界の中で自分という人間が物体として存在しているという確信を与えてくれる経験だった。
(ちなみに締めあげられてすこしよかった。。)