日本に住んでいて#BlackOutTuesdayといって真っ黒の画像を投稿している(大半の)人について思うこと

Black out tuesday

ここ数日、Instagramのフィードには真っ黒な画像が上がっている。 もちろん御存知の通り、アメリカのあの事件に対する抗議である。

https://media.wwdjapan.com/wp-content/uploads/2020/06/02213533/bot1.jpg

我々は身近な差別に対して声を上げるべきではないか

これについて、ビリー・アイリッシュが言っていることは最もだと思う。

↓のニュースのタイトルは完全にミスリードを誘うような酷いタイトルで、まるでビリー・アイリッシュが白人至上主義者のように読めてしまうが内容はその全く逆。

All lives matterというのは当たり前で、誰の命も大事ではいわけではない。でも身近でただ黒人として生まれたというだけで苦しんでいる人々がいるのだから、そこに対して手を差し伸べるのは当然ではないか、ということである。

ellegirl.jp

けど、これを読んでBlack lives matterだと言い始めるのはなにか違う気がする。

日本における「ガイジン」差別

僕の家の周辺には日本語学校がある関係でもあると思うのだが、アジア系の外国人が多く住んでいる。 そして、最寄り駅である鶯谷駅周辺では、警察官がやたら高圧的な態度でその「ガイジン」たちに詰め寄り嫌がらせのように荷物検査をしたり身分証を見せるように迫っている光景を見る。

以前僕の家の近所で外国人(中国人)寮となっていたボロボロのビルが火事になったという記事を書いたことがあったが、なんとこのビルはしばらく放置され(所有者の人は名乗り出なさいみたいな張り紙が数ヶ月貼ってあった)たあと、恐ろしいことにまともに補修もされずふたたび外国人寮になっている。

www.k5trismegistus.me

このビル以外にも、6畳くらいの部屋に2段、3段ベッドが2個ずつつめこまれているような中国人向けのタコ部屋のようなビルが多く見かけられる。言い方は悪いが、完全に二級市民として扱われている。

また、悪名高い技能研修生制度。

www.asahi.com

www.asahi.com

これに対してはいまさら僕がなにかいうこともないだろう。

アメリカに目を向けなくても、すぐそこで差別は起きている。

われら高潔なる民族

Black out tuesdayの理念について賛同するのであれば、我々は我々のもっとも身近にある差別について目を向けるべきではないのだろうか? そこについて何も言わず、遠くの黒人差別について物申している人々は、日本には差別なんてないと思っているように感じてしまう。 自分たちは「高潔な人間です」というアピールに見えてしまうのは偏っているだろうか。

ビリー・アイリッシュはアメリカに住んでいて、アメリカでは最も黒人差別が深刻(なんだと思う)ゆえに、自分ごととしてそこに対して声を上げるのはもっともだ。

しかし、日本における外国人居住者のうちアフリカ出身者は0.6%をしめるのみである。(2011年時点なのでちょっと古い)ルーツはアフリカ系だが出身自体は違うというケースも当然有るだろうので、いわゆる「黒人」の比率はもっと高いだろうが、それでも数は少ないだろう。 この比率を考えれば、黒人差別よりもアジア人差別にふれる機会の方がはるかに多いはずだ。

参考: [日本で「黒人」として生きる -ポピュラー文化のグローカル化と在日ナイジェリア人-([https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasca/2015/0/2015_F08/_pdf)

もちろん日本でも黒人差別の事例は見聞きしたことがあるのでないとはいえないし、もしかしたら自分の黒人の友人がひどい目にあったことを知っており本心でやっている人もいるだろう。 しかし、人口比を考えれば、アジア人差別に触れたことはないが黒人差別に触れたことがある、という人の可能性はだいぶ小さいはずだ。 なのに、#BlackOutTuesdayがこんなにも流行っているというのは、大半は世界中で流行っているからなんとなく、程度でやっているだけというのは否めないだろう。

fumumu.net

www.newscafe.ne.jp

日本における差別の問題に何もいわないのに、なんとなく世界中で流行っているから黒人差別反対、っていうのは、社会問題がただの商品として消費されているな、と思ってしまう。

まぁ、そもそもとしてこの活動自体が正直なんだかわからないんだけど。 画像をSNSに貼り付けるだけで良い事をした気になれるんだから、Instagramって便利だなぁ。

最後に(読解力がない人のために)

決して黒人差別なんてどうでもよいといっているわけではない。

Blackouttuesdayの理念に共感するのであれば、我々だって我々の身近な差別に対して抗議すべきだろ、というのがいいたいことである。


同様に、ヨーロッパ系の知り合いが同じことをやっているのもなんかなぁ、と思ってしまう。 そっちはジプシー差別とかのほうが深刻なんじゃないかなぁ?と思う。 ルーマニアとかね。