今「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」(以下BotW)をやっている。
BotWはどんなゲーム?
アクションRPGなのだが、RPGによくある能力値の成長が基本的にない。 成長するのはライフと、ダッシュやクライミングに必要な「がんばり」だけ。 これを成長させるには、ゲームPortalのようなパズルをクリアしていく必要がある。
攻撃力や防御力は強いアイテムを入手することで強化する。 ゲームをすすめるほど強いアイテムが手に入りやすくなるようなので、実質的にはゲームの進行と共に能力値も上がっていくのだが。 (倒した敵の数などから算出される「進行度」によって、敵がドロップしたり宝箱に入っているアイテムの強さが強化されていくらしい)
そしてこのゲームの特徴が、マスターソードという武器以外、どんなに強い武器でも必ず壊れるということである。
オープンワールドゲーム
本題に入る前に、ゲーム自体の感想を少し。
良い点
ゲームの進行度に合わせて強くなっていく敵と、変わらない敵がいる様子。強くなってきたという達成感と、強くなっても気を抜けないという緊張感のバランスがよく取れているように感じる。ファイナルファンタジー8が似たような成長システムだが、こちらは自分でバランスを取らないといけなかったので、、。
弓の照準がスティックで大まかに照準を合わせてコントローラーのジャイロで微調整するというUIになっており、これが非常に快適。今のゲームでは当たり前なのかな?でもこの操作はPCゲームにはない革命的な操作感だと思う。
ちょっと微妙な点
視点移動が回転しかできず、拡大縮小ができない。僕がBotW発売当時に存在しなかったSwitch Liteを使っているのもあるが、画面が見づらい時がある。
オープンワールドゲームにありがちな料理を作ったり、アイテムを交易するシーンがある。これらが一個ずつしかできず、ストレスフル。せっかくタッチパネルがあるのはここが使いどきなのではないか。
ラストエリクサー症候群
最初に取り上げたように、このゲームでは武器が壊れる。 このため、強い武器が手に入ってもつい温存したくなってしまう。
こういったゲームで強いが使うと無くなってしまうアイテムを過剰に勿体無く感じて有効活用できないのこ「ラストエリクサー症候群」と呼ぶらしい。
BotWの武器とはちょっと違うのだが、そういえば自分も使えないタイプだと思った。
セーブシステムの進化との不整合
コンピューターゲームの進化の過程において、セーブ機能を用いて作ったチェックポイントに自分の意思で戻れるようなゲームが主流となっていった。 しかしコンピューターゲームの歴史の中では、セーブというのはあくまで中断するための機能であり、セーブを読み込んだ時点でセーブデータは破棄、またセーブ自体も勝手にされるので、「やり直し」ができないゲームデザインも存在していた。 初期のコンピューターRPGのウィザードリィはそういうシステムだった様子。
こういうゲームだったら、今この瞬間の全滅のピンチを乗り越えなければ全てが終わることになりかねない。となれば、ラストエリクサーの使い所は明白だ。
しかし現代コンピューターRPGで生き残ったセーブシステムでは、ピンチに追い込まれる前に戻って今度はピンチにならないように準備し直すことで、「ピンチも乗り越えてラストエリクサーも残っている」という世界選択することができる。
となれば、将来のピンチの可能性を考えてラストエリクサーを使わず、セーブシステムに頼る方が合理的になってしまうのだろうと考えた。
ラストエリクサーの本当の効果
しかしここで視点を変えてみると、ラストエリクサーは実は回復アイテムではなく「プレイヤー世界(現実世界)の時間を犠牲にするやり直しを一回だけなかったことにできるアイテム」なんじゃないだろうか。 ゲーム内のキャラクターを救うためではなくプレイヤーの時間を省略するためのアイテムとして機能している。
というふうに見てみるとラストエリクサーから得られる効用を最大化する使い方がわかる。 それは、ラストエリクサーを入手して最初に訪れた全滅のピンチですぐに使ってしまうこと。 ラストエリクサーを使ってピンチを突破できれば、一回だけやり直しを防ぎプレイヤー世界を買うことができるし、できなかったとしたらまたラストエリクサーを持った状態に戻るだけ。
そこまで追い込まれるピンチが今後起きるかどうかわからないことを考えると、初回に使うのが最も期待効用が高いということになる。
といったことを考えながらも、どれだけ使っても大丈夫なリモコンバクダンで今日も戦うのであった。
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