僕はかなり前にアカウントを捨ててしまったのでリアルにどんなことが起きているのかは実感してないんだが、Twitterがここ最近名前が変わったり色々あるようだ。
というわけで関心が高まっているのが "Fediverse"。2017年くらいにMastdonという分散SNSが注目を集めたことがあったけれども、その延長にあるものだ。
Google Trendで"Fediverse" と "mastdon" で話題の関心度を10年みた様子では、Fediverseという言葉への関心は2017年のMastdonを上回っている。
FediverseとActivityPub
Federation(連合)とUniverse(宇宙)の合成語である。
メッセージの規格をActivityPubというプロトコルで共通化することで、他のSNSサーバーにいるユーザーのメッセージを読んだりできるSNSの群のことだ。
今のFediverseへの注目を見ていると、Fediverseやそれを支える共通プロトコルのActivityPubは、おそらく今の時点ではインターネット上でなんらかの創作(Twitterに投稿するレベルのも含めて)を行うことに思い入れがある人が「自分たちが作るものがプラットフォーマーの都合で勝手に消されたらたまらん」みたいなことで注目しているように思う。
僕はあんまりインターネット上で人と交流しないので、そういう方面の話にはそれほど興味はないのだが、、Fediverseにはもう一つ可能性があるとおもった。 Fediverse的な考え方はついにEmailを置き換え可能なのでは?ということ。
グローバルIDとしての電子メール
注:グローバルIDというのはこの記事のための造語である。
いろんなWebサービスのアカウントを作るときに、メールアドレスの入力を求められることが多い。 そして、メールアドレスの実在性をチェックされ、パスしないとアカウントが作成できないのも一般的だ。 このように、あるWebサービスがユーザーと紐づくエンティティの存在確認を電子メールに移譲しているのがグローバルIDということだ。
電子メールがグローバルIDとして適格だと見なされた理由は3つだと考えられる。
- そのまま連絡手段になるから
- 認証したいエンティティと紐づいているから
- 特定の組織だけが運営しているサービスではなく仕組みがなくなることがなさそうだから
2000年頃からのインターネットを知っている身としては、昔はメールアドレスを取るといえば、基本的にはプロバイダからもらうしかなかった。携帯のキャリアメールのようなものだ。 WebのメールサービスとしてはYahooメールもあったはずなのだが、個人で使った覚えがない。何か制限があったんだっけ?
思うに、メールアドレスって昔はプロバイダからもらうか所属する企業・大学・研究機関から発行されるかだから、メールアドレスはほぼ実名と紐づいたIDとなりうると考えられてたんじゃないだろうか。
TwitterやFacebookがIDになりにくい理由
現代では連絡を受け取るツールとしてはもうメールよりもSNSの方が主流になっている。 しかし、それらはグローバルIDとしてはEmailの代わりにはならない。1,2は満たしていても、3を満たせていない。
TwitterログインやFacebookログインという仕組みがあるサイトも多いが、プラットフォームが突然なくなるかもしれないし外部サイトへの連携を突然やめるかもしれない。
メールはある事業者が勝手にメールサービスをやめても、電子メールという仕組み自体がなくなるわけではない。 サービス側としては、GoogleがGmailをやめたら、多くの人にアカウントを作り直してもらう必要はあるかもしれないがメールアドレスでIDを作る仕組み自体は変える必要はない。
Fediverse なIDの可能性
一方で、Fediverse上のIDはグローバルIDたりえるのではないかと思った。
共通プロトコルがあるので、あるサーバーがなくなることが決まっても他のサーバーにうつることもできるようになるはずだ。(今の時点ではかなり制限があるらしい)
営利企業の運営するサーバーに依存するのが怖いなら自分でサーバーを立てることもできる。電子メールと違って別にドメインを持っていなくても、 https://ec2-your-elastic-ip-address.compute-1.amazonaws.com
から始まるURLで動かすこともできるはずだ。。
しかも電子メールの持っていた特性を全て備えつつ、既読がわかるとか返信しなくても「いいね」でリアクションできるといった可能性もある。(お知らせメールにいいねしておくだけでサービス側でもアクションが起こせる等)