サッカー観戦の面白さの片鱗を感じた2022年ワールドカップ

まずはじめに断ることとして、この記事を書いているのはサッカー観戦歴数試合という超にわかが書いている。 あくまで個人的にサッカー観戦の面白さを見つけたという話なので、話半分もとい話1/1024くらいに思って欲しい。。。

これまでのサッカーのイメージ

これまで代表戦もあんまりまともにみたことがなく、記憶に新しい試合といえば、4年前の日本対ポーランド。 負けているのに、ボール回しをしているだけのひどい試合だった。 (でも今回ポーランドも同じことをやったらしいね)

the-ans.jp

というのもあり、サッカー観戦をしていて面白いと思ったことがほとんどなかった。 というわけで先日の日本対ドイツ戦も付き合いで見始めたようなものだった。

結局サッカーって、いい選手が並んでるチームが勝つんでしょ、、というのがサッカーに対するイメージだった。 ノイアーがいるからドイツが勝つんでしょ、みたいな。

転機:日本対ドイツ戦

日本対ドイツ。 前半はその印象のまま見ていた。

ほとんど日本選手はボールを持たせてもらえないし、ようやく奪えてもすぐに取られてしまう。 やっぱり強いチームが勝って弱いチームが負けるだけのスポーツなのかと。

しかし前半と後半で選手がかわったところから、全然別の試合になった。

そういえば、前半もドイツにボールはずっと持たれていたが失点は1しかしていない。 後半も日本選手のパスは簡単に奪われドイツ選手のパスはなかなか奪えないのに、攻めているのは日本。

素人目にはボールを持たせてもらえないというだけで一方的な試合にしか見えていなかったんだけれども、戦術が違うだけで決して一方的に負けているわけではないのではないか??

これを見て、サッカーは僕が思っていたより遥かに深いスポーツだということに気づいた。

サッカーについてのにわか理解

フィールドの密度

プレスという言葉もドイツ線を見終わってから調べたのだが(笑)、サッカーではプレイヤーの密度が高いところは、ボールを持つ側にとって攻めづらいエリアになる。

相手プレイヤーの密度が高ければ、ボールを取られないまでも、プレイヤーが進める方向もボールを出せる方向も制限を受けてしまう。

そしてどうやら味方の密度が高くてもダメなようだ。 近い味方にパスを出したところですぐに自分についていたディフェンスがすぐにパスした味方に追いついてしまうので、相手のディフェンス1人の力が味方複数人に効いてしまう。

コスタリカ戦で日本選手がボールを受けてもすぐに後ろに戻すアレ、あれってなんの意味があるんだと思ってたけど密度が高すぎて進めないということだったんですかね。

ボール支配=強いではない

日本が勝ったドイツもスペインも、ボール支配率は圧倒的に相手の方が上。 なのに勝ったのは日本である。これはどういうことか。

ボールを保持しているということはすなわちパスを回しながらチーム全体で攻め上がっていくことになる。

つまり、プレイヤーが展開するエリアが広くなり、守備力としては低下している状態になりやすい。

その状態でボールを奪って、密度が低いフィールドを攻撃要因が少人数でスピードで一気に駆け上がることで、相手のプレス強度が低いうちにゴールを狙うというのが日本の勝ち方だったのでは、と思った。

用語はネットで調べたものをそのまま使うが、ボールを支配してフィールド全体を使って攻める戦術をポゼッション戦術、相手にボールを持たせて攻めさせながら相手がミスした時に守備密度が低いうちに攻め返す戦術をカウンター戦術としてみる。

戦術の仮説

僕のイメージしていた昔ながらのサッカー、「ジダン」とか「メッシ」みたいな超スゴい選手の個人技を周りがサポートするサッカーを仮に「ファンタジスタ戦術」としたうえで、さっき考えたポゼッション戦術とカウンター戦術の有利・不利みたいなのはこんな感じになるのではないだろうかと仮説を立ててみた。

もちろん、カウンター戦術だからポゼッション戦術に必ず強いというわけではなく、それぞれの戦術に合わせた地力のある選手がいることは前提だ。

それぞれの戦術で求められる選手の能力には違いがあると思われ、ファンタジスタ戦術では華麗なテクニック、ポゼッション戦術では判断力、カウンター戦術では持久力・足の速さかなと。 Yahoo知恵袋などを見ると現代サッカーはつまらないと言う人も多いようだが、すごいスター選手よりも兵隊のように規律正しく動くチームが強いとなれば、昔ながらのサッカーが好きな人には物足りないのではないか。

www.footballchannel.jp

本田△の個人技に依存しているようなので、2018年日本ナショナルチームはファンタジスタ戦術だったと言えるだろう。

妄想レベルの余談。

スペインがポゼッションサッカーで一時代を築いたというのは、ヨーロッパの民族の中では体格に劣るスペイン人が個人の力やカウンターに必要な速さでは勝てないので、相対的に適性が高めやすいポゼッション戦術を徹底的に磨いたという環境に適応した進化だったのではないだろうか。

僕が子供の頃の薄い記憶では、ワールドカップでスペインという国名を聞くことなんてほとんどなかったように思う。(一方でイタリアは昔よく聞いていたけど今はてんで聞きませんねえ)

ja.wikipedia.org

ワールドカップでは、1950年大会で4位になった以外は長らく8強が最高成績であり、「永遠の優勝候補」、「勝てない強豪」などと揶揄された時期もあった。また、ワールドカップの初戦成績は2018年大会時点で4勝4分け7敗と強豪国にしては結果が奮わなく、20世紀後半のワールドカップにおいての初戦勝利は1950年のみである。

しかし、2000年代後半頃から高精度のパスと圧倒的なボールキープ力を背景にゲームを支配するポゼッションサッカー「ティキ・タカ」のスタイルを確立し、欧州選手権とワールドカップの優勝など実績を挙げた。

サッカーに絶対的な強さはない

この元で考えると、日本がドイツ・スペインに勝ててコスタリカに勝てなかった理由も想像できる。

ドイツやスペインはボールを支配して戦う戦い方を選び日本はカウンターを選んだ。 相手にボールを長時間持たせるリスクをとって相手の守備密度を下げた時間帯をなるべく長くすることで、こぼれ球を拾った時に攻めるチャンスを増やす。 それを基本戦術として、カウンター適性を高めるチームになるように選手が選ばれたのではないか。

一方で、コスタリカ戦のボール支配率は拮抗している。 これは、コスタリカがドイツやスペインのようにフィールド全体を支配していない=日本もボールを持つのでコスタリカも自陣の密度が高い状態となっていた。 日本チームとしては磨いてきたカウンター適性が活かせず、日本とコスタリカは昔ながらのサッカーをせざるを得ない。 その状況下ではどちらも絶対的なテクニックを持つ選手がいない。 結果どちらも攻めあぐね、最後は運みたいなところで勝敗が決したんだと思う。

コスタリカがスペインドイツに負けたのはコスタリカのカウンター適性が日本ほどではなく、純粋にスペイン・ドイツのポゼッション適性を持ったポゼッション戦術の前に歯が立たなかったということでは。

ちなみにグループEの各試合ボール支配率はこのような感じだったそうだ。

出典は

theanalyst.com

日本が「強豪」とはなかなか呼ばれない訳

「強豪」と呼ばれるためには、相手の戦術に合わせて自チームの戦術を柔軟に変える、そしてそれに適応できる選手がいることが必要なのだろう。 これも妄想レベルの話ではあるんだけれども、日本ナショナルチームはカウンター戦術への適正を高めて「強豪」国に勝つ準備はしているが、カウンター戦術以外の戦術への適性は低いまま。 なので日本を格上として戦ってくる国のカウンター戦術に対してこじ開けることはできないということなんじゃないだろうか。

なので強い相手に勝ったりするけどFIFAランクなどでは「格下」の国に勝ちきれなかったり負けたりするということなのだと納得した。

相手が強いから燃えるとか失うものがなくてのびのびできる・弱い相手には油断が出てしまうといったメンタリティの問題ではなく、そもそもそういうふうに構成したチームなんだと思う。

実は

日本vsスペイン戦は朝早くてみてないくらいのにわかっぷりなので、そのうちみようと思います。

この記事を読むより

現代サッカーの戦術を学ぶなら、このシリーズがいいらしいですよ。

余談

2002年のワールドカップの時、サッカーには興味があんまりなかったんだけどヴァンゲリス作のテーマソングがめっちゃかっこいいなぁと思っていた。 最近ってこういう大会ごとのテーマソングを作ったりしないのかな?


www.youtube.com