FIAT 500については、別のサイトを作りました。 今後車関係の記事はこちらに書いていく予定です。
くるまでこそだて - FIAT 500と一緒に子育てをしていく記録
昨年11月に、ノートe-Powerという自動車に乗る機会があった。 これはハイブリット車のようにガソリンエンジンとバッテリー・モーターを両方積んでいる。
ハイブリッド車との違いは、こいつのガソリンエンジンは車を直接駆動することがなく、ただの発電機であるという点。 ガソリンエンジンで発電した電気をバッテリーにため、その電気でモーターを動かして走るのである。 知っている人にわかりやすくいうと、ポルシェティーガーと同じである。
これがおどろくほどに燃費が良い。車系メディアの記事をみてみるとこんなんだ。
この比較記事を見ると50km/lとか異次元の燃費というレベルではないんだが、それでも普通のガソリン車に比べるとかなりよいのがわかるだろう。 父親いわく、「加速が良い」らしいが、そっちのほうはわからなかった。
ガソリンエンジンは回転数によって効率が変わる。それもあってトランスミッションを使って、車がどの速度でもなるべくエンジンが「良い」回転数を保つのがよい。 しかし実際には自動車の速度は変化するものだし、常によい回転数をキープできるとは限らない。 変速機は4段とか5段とかとびとびの値しかとりえないので、どうしても効率の悪い回転数で走っている時間がある。 一方で電気モーターは一定の回転数まではフラットなトルク特性をもつため、回転数によらずほぼ同じ効率であると言える。 なので電気モーターは乗り物用にはとても適したものなのである。
ネックになるのはエネルギー密度で、ガソリンタンクとリチウムイオン電池だと単位体積あたりのエネルギー容量は10倍ほど開きがあるという。(ガソリンタンクのエネルギー保存量は運動エネルギーとして取り出せる量だったはず。単純に取り出せる熱量だとその倍くらいになるのかな。)
そこで考え出されたのがe-Powerのような方式。 エネルギーの保管にはガソリンを使い、駆動にはモーターを使うというのはとても理にかなったものだといえる。 エンジンに掛かる負荷が環境に依存しないので、常に一番よい回転数をキープできる。リチウムイオン電池の効率が80-90%くらいらしいので、その分のロスはあるが回転数の変動がないメリットがそれを上回っているのだろう。
世界的な潮流だと、ピュアEVやレンジエクステンダー付きEVが主流になっていきそうだが、個人的に気になるのがガソリン供給。 石油製品は、一部の需要が減ったとしてもそれだけ減らすことができない。ガソリンの生産量を減らすけど軽油の生産量を増やすといったことはできないはずだ。
現在生産されるガソリンはほとんどが乗用車用に消費されているが、ここが一気に落ちたとしたらガソリンがダダあまりする状況が来るのではないかと。20XX年にガソリン車販売禁止にするぞ!という国が多いけれども、ガソリン以外の石油製品需要をそれに伴って減少させるという話はあるのだろうか。
となるとガソリン価格は10年後くらいに急落するかもしれず、そのときe-Power方式の車は一気に来るかもしれないなぁと思った。
余談)
EVはモーターやバッテリーを乗っけるだけなので、ガソリン車ほど高度な技術を必要とせず新興メーカーでも参入しやすい。日本の自動車産業も将来くらい!というけれどもそれを裏付けるようなものが。
アメリカなんかだと、古い車をEVに改造しちゃうのが流行っているらしい。日本でもやっている人はやっているようだ。
僕が今思いつきで始められるほど簡単ではないけど、やはりガソリン車を作るよりははるかに簡単であるようだ。
もし将来お金ができたら、僕もアルファロメオ・ブレラをEVにして乗ろうと思う。