「瞬間」接着剤の嘘

アロンアルファに代表される、瞬間接着剤というものがある。
一部違う商品もあるかもしれないが、基本的にシアノアクリレート系接着剤のことをさす。

ここがポイントで、瞬間接着剤というのはシアノアクリレート系接着剤のことを指しており、本当に瞬間的に接着できるかどうかは別問題なのである。

実際に、多くの瞬間接着剤をかたる接着剤は硬化まで10分とかかかる。
確かに24時間たたないと強度を発揮しないような普通の接着剤に比べたら早い。最近はやりの?「ウルトラ多用途」系の接着剤はある程度接着されたな、と感じるまで数時間かかり、完全硬化は日単位の時間がかかる。

それに比べたら10分で硬化というのは超早いといっていい。

だが、決して瞬間ではない!

瞬間接着剤という言葉から我々が想像するのは、ピッと塗布してグッと接着対象を押し付けたら5秒ほどで接着できるというものであり、またそういう用途のために買う。
ピンセットでないと持てないような細かい部品の接着では仮止めも簡単にできない。そういう時に真の意味での瞬間接着剤を求めるのだ。
そんなわらにもすがる様な消費者に対して、「今までの接着剤に比べたら瞬間・接着剤でしょ!?」というのはひどい話ではないだろうか。
ピンセットで10分も押さえつけていろということなのか。

一応、こういうものを使えば硬化を早めることができる。
しかし、他の商品を組み合わせないと瞬間接着できないというのは、不当景品類及び不当表示防止法にひっかかるのではないかと思う。
しかも自分の場合、瞬間接着剤を使いたいシーンは割りと細かい作業が多い。スプレーでは他の部分にも飛んでしまいなるべく使いたくない。
ロックタイトのクイックミックスのように絞りだす時に硬化促進剤も混ぜてくれるような仕組みを作れば、「瞬間」接着剤になりうるかもしれない。

結論としては、やはりシアノアクリレート接着剤には「瞬間接着剤」を名乗ってほしくない。
いくら硬化時間が他の接着剤より早くても、今の瞬間接着剤はまったく「瞬間」接着剤 ではない。
速硬化接着剤 程度にしてほしい。