参議院選挙、投票先はきめただろうか?
決められないよという人に対して、こんなものをご紹介しよう。 Webサイトで質問に答えていくとおすすめの政党を教えてくれるものがある。
それが、「政党マッチング」サービス。 選挙に行かない若い世代に政治に興味を持ってもらえるように〜ということで、選挙のたびに新しく始まっている気がする。
やってみた
新聞社各社はじめ、いくつかやり比べてみた。
各サイトの質問文に対して直感的にこたえている。
読売新聞
では日本維新の会、立憲民主党、国民民主党が推薦された。
朝日新聞
では立憲民主党、公明党、国民民主党が薦められた。
毎日新聞
では
立憲民主党、国民民主党、社民党が薦められた。
JAPAN CHOICE
では、うーん読みづらい、、、
けど立憲民主党、共産党、社民党あたりが高いのだろうか。
選挙ドットコム
では
なんと他のものでは徹底的に相性の悪かった自民党が二位に。
なぜこういうことが起きるのか
人に何か質問をするとき、質問の仕方で同じことを聞いていても質問の書き方で答えが変わる。フレーミング効果という。
600人が死亡すると予想される病気の流行に対して、2つ選択肢がある。どちらの選択肢が好ましいか?という質問を投げかけた実験 “Asian disease” problem が有名だ。
ある被験者グループに提示する選択肢は
A1:確実に200人が生存する対策をとる
B1:1/3の確率で600人が助かるが、2/3の確率で全滅する対策をとる
というものとし、
別の被験者グループには
A2:確実に400人が死ぬ対策をとる
B2:1/3の確率で全員生存するが、2/3の確率で600人が死ぬ対策をとる
というものとする。
A1とA2、B1とB2はそれぞれ表現を変えているだけで全く同じことを言っているのだが、前者のグループではA1を選ぶ方が圧倒的に多く、後者のグループではB2を選ぶ方が圧倒的に多いという実験結果が得られたそうだ。
注目する人数を「助かる人数」にするか「死ぬ人数」にするかで、人間の受ける印象が変わってしまうということだ。
もっと知りたい方は↓↓↓
政党マッチングにおけるフレーミング効果
例えば、社会保障の費用負担に関する質問を
A1:現役世代の負担を増やすだけでなく全ての世代の負担を増やすべきだ
B1:高齢者世代を現役世代で支える制度を続けるべきだ
とするか、
A2:高齢者世代の負担を引き上げるべきだ
B2:高齢者世代の負担は現状程度にとどめるべきだ
とするか。
前者は現役世代視点から、後者は高齢者世代視点からの叙述となっている。 まぁこれはだいぶ恣意的だけれども、聞き方によって印象は変わってくるだろうと思う。
選挙ドットコムが投票行動を左右しようとしているとまでは言わないが、一つだけ結果が真反対というのは、流石に質問文がおかしいのではないか?という気がする。 (流石に解答に関係なく特定の政党をプッシュしている、、はないと信じたい。)
参考程度に止めよう
それぞれのメディア・新聞社は中立ではなく、特定の政党に近い立場を取ることもありうる。 特定の政党に誘導しようという明確な意図がなかったとしても、設問文を考える人たちが自分達の意見に沿った主張を善、沿わない意見を悪と見えるような表現をとられることは十分ある。
というわけで、ひとつの結果を鵜呑みにすることはなきよう。