ふとしたきっかけで、ガンダムシリーズを見ていた思い出を振り返りたくなった。
ガンダムを見ていた頃
小学生か中学生に劇場版の「機動戦士ガンダム」3部作だけは見たことがあったが、本格的にハマったのは高校生の頃。 ガンダムVSガンダム(NEXT)というゲームが周りで流行っていて、それを僕もやるうちに元となっているアニメの方も見てみようとなったのがきっかけだった。
富野監督はよくアニメは子どものためのもので、いい大人になって見るものじゃないという。
比較的新しい作品である「Gのレコンギスタ」のターゲットについて、こう語っている。
富野:小学校5年生から高校2年生くらいまでです。高3になったらアニメもマンガも見るのをやめて、受験勉強だけしろと。そして、この年齢で重要なのは、この頃に観たものが一生残るものになるから、この年代のフックになるようなものを作ることは決定的な条件なわけです。
富野監督自身、アニメというものを低く見ていて所詮子どものためのものだと考えている。 しかし子どものためのもの=子ども騙しでいいというふうにはなっていないのがポイント。
所詮子どものためのもの→だとしたら子どもが見て将来に良い影響を与えるようなものを作って見せよう(僕の理解)というのが「子どものためのもの」という言葉に込められている。
すでに大人になってしまった僕はもう「Gのレコンギスタ」を見ることはもうないかもしれない。 でも、子どもの頃に見たガンダムは確かに「残って」いるので狙い通りやられたわけだ。
僕が見ていたのは高2から大学1年なので、先のインタビューで言及された対象年齢からは少し上にずれているのだが、確かに思い出すとフックになっているのかもと思った。
どんなフックになったのかを書き始めていたらどんどん長くなってしまったので、この記事ではとりあえず前準備だけ。
見てきたガンダム
ガンダムシリーズについて、別に全てを見てきたわけじゃない。 特にアナザーと呼ばれるシリーズや、SEED以降はほぼ全く。
見たシリーズの感想だけ簡単にまとめてみる。
機動戦士ガンダム
ガンダムというブランドが出来上がる前ということもあり、テレビシリーズの方は思想性が十分に出せていないことを感じる。 やっぱり70年台のアニメということで、残念ながらメッセージ以前に、今の子どもが見るのはつらいところもあるように思う。
今思うと、「カツ・レツ・キッカ」がホワイトベースにいる意味などのちにつながる要素がある。
1stからしばらくは、「人がお互いを旧人類より分かり合えるニュータイプになれば人類は先に進める。ではどうやったらニュータイプになれるのか?」というのがテーマになっている。
機動戦士Zガンダム
よくZとVが「黒富野」と言われるが、僕は実はVは結構救いがある話だと思っている。 Zこそ監督の暗い感情をぶちまけているものだと思う。
1stで導入された「ニュータイプ」になれば人は分かり合えるのではという理想だが、やっぱり幻想だということが分かりつつあり、じゃあ人類はもうダメだという絶望を感じ始めているというところだろうか。
この後の創作活動を通してその絶望から立ち直ったからこそ劇場版Zを作ったんだと思う。
機動戦士ガンダムZZ
全体通した思想性は薄いけれども、最後に「帰ってきて良かった…強い子に会えて…」にたどり着いたからこそ、その後のVガンダムにつながる道が開けたんじゃないだろうか。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムF91
ここら辺で現実世界の冷戦終結がある。逆襲のシャアF91、Vガンダムあたりは結構同じメッセージが込められているように思う。
このメッセージこそが、ガンダムのメッセージの到達点であるように思う。というわけで、次回以降触れる。
機動戦士Vガンダム
Vガンダムも次回以降取り上げるのだが、一番好きなのでここでも。
Vガンダム好きというと、逆張りだとか言われがちだが、(少なくとも僕が見ている範囲では)ガンダムシリーズ最高傑作。
「母さんです」とか地球ローラー作戦とかネタにされやすい要素が多いし、確かに人はぽんぽん死んでしまう鬱展開でもあるのだが、最終話までに人類はどうなるべきなのか、答えにほぼたどり着いたことがわかる。
富野監督自身はVガンダムは見ては鬱になるから見てはいけないというけれども、、。
∀ガンダム
Vガンダムの後、ガンダムではないブレンパワードという作品を作りながら鬱から回復したらしい富野監督。
牧歌的なシーンも多くて、一年通しでやるアニメとして気楽に見られるかもしれないが、やはり逆襲のシャア〜Vガンダムまでの激しい思想の発露に比べると物足りない感はある。
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
富野監督の手を離れた宇宙世紀ものはどれも、元々の「ガンダム」に込められたメッセージ性が失われてミリタリーマニアのおもちゃになっている感が否めない。
機動戦士ガンダム0083 Stardust Memory
ミリタリーマニアのおもちゃ感はさらに増す。
次回の内容として、ガンダムには「世界には問題がたくさん残っているが、それを力で性急に解決しようとすることは悪」だというメッセージが込められているように思う。(どの陣営が善でどの陣営が悪かといった単純な分け方はされていない)
しかしこの作品は、そういう存在がやたら美化されて描かれている。
この作品自体、面白いとは思うけれども宇宙世紀の「ガンダム」でこれをやるのは富野監督的にはどんな思いなんだろうか。
機動戦士ガンダム 第08MS小隊
ミリタリーマニアのおもちゃ路線は続き、さらに内容も軽くなっていて単純にあんまり面白くないと思う。
新機動戦記ガンダムW
正直話は全くわからないけど、エンドレスワルツの壊れながらツインバスターライフルを撃つシーンだとか視覚的に印象に残る。
巨大ロボットと日本少女漫画(のキッチュ)の融合を目指したのかもしれない。
「宇宙世紀」じゃないというところで許される感はある。
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次回予告
というわけで富野監督が「ガンダム」に込めた思いや、ガンダム最高傑作のVガンダムについても紹介していこうと思います。
「見てください!」