今更？と言われそうだが、「トップガン マーヴェリック」を見てきた。
「トップガン」の思い出
僕はすぐ影響されるタイプなので、公開当時にはまだ生まれていなかったけれども、初めて「トップガン」を見て翌日にRay Banのサングラスを買いに行っているくらいである。 ただ、アビエイターはいかにもすぎたので違うのにはした。笑
さらに言うと当時はロードバイクで大学まで通っていたので、自転車用のヘルメットを被って無意識に一人で親指を立てていたかもしれない。
と言うわけで、もう5年くらい前になるだろうか？「トップガンの新作が作られるぞ！」と言うニュースが出た時はおっと思ったのだが、それ以上に心配でもあった。
「トップガン」と言えば、中身があんまりなくて面白い映画なのだが、何かの記事で見た話で
次回作ではAI無人機との戦いが描かれ、戦闘機にパイロットが乗り続ける意義が問われることになるだろう
みたいな高尚な話になろうとしている感じで、おやおや？と思ってしまった。
またこういうリブート系は、失敗している例をよく見るのも心配事項だった。
例えばターミネーターは
新作公開→コケる→その話はなかったことにして新作公開→コケる→またその話をなかったことにして新作公開
という迷走状態にあるらしい。
しかし、結論から言うと！今度も頭を空っぽにして楽しめる映画になっていた！
「トップガン マーヴェリック」のマーケティング戦略
「トップガン マーヴェリック」が良かったのは、中途半端にこの作品から見ても面白いというのを狙わずに、「トップガン」を見ていることを当たり前にして「トップガン」ファンに向けた作品を作ったことがうまくいったんじゃないかと思う。
トップガン世代がSNSで絶賛する→そんなに面白いなら、と下の世代もトップガンを予習してから見にくる→下の世代も面白かったとSNSで絶賛する
セグメントを「トップガン」世代に定めて徹底的に顧客満足を追求した結果、「トップガン」世代の顧客ローヤルティを高めアドボケイト化、リファラルによる新規顧客の獲得を実現・・・というようなカスタマーマーケティングの例と言えるだろうか。
「トップガン」自体が今の40才〜60才位の世代の人であれば必須科目と言ってもいいくらい？だし、テレビで戦闘機が出てきたらデンジャーゾーンが流れる位有名作品。それでいて過去作が「トップガン」一つしかないのでマーベル映画なんかと違って気軽に予習ができるという点もある。
これらの好条件が重なった結果、こういう現象を起こせたのかもしれない。
ここから下には一部ネタバレあり。
「トップガン マーヴェリック」の展開
「トップガン」自体は訓練のシーンが中心で、模擬戦ではない空戦も最後の1戦闘しかない。 ということから考えても、物語の途中までは敵基地をやっつけて敵の第五世代戦闘機もなんやかんやかわしておしまい、というくらいなのかなと考えていた。(F-14がある、何ていうのもセリフだけのファンサービスかと思っていた。)
ところがどっこい、そこからさらに大きな見せ場がやってくる。数字で言うと決して長い映画というわけではないのだが、ちゃんとした山が2回も出てくるのにこの時間で収まっているのか！と見終わった後に感心してしまった。
「トップガン」で描かれる部分を潔く「トップガン」を見ろと言わんばかりに省いているように感じたけれども、これが物語のテンポを良くしていると思う。
多分前作を見ている人のレビューで「前作を見てなくても楽しめると思います」といったレビューを見るけれども、さすがに厳しいのでは？と思う。グースはともかく、アイスマンって誰やねんとなるでしょう。 （にしてもグースとルースターはよくあそこまで似ている人を見つけたものだ）
正直に言うと、最初のマッハ10を出す有人飛行機のシーンはいるか？と思ったけど、これが当初の構想の名残なのかもしれない。 「トップガン」にせよ「トップガン マーヴェリック」にせよ、基本的には実在するレベルの戦闘機しか出てこずSFなシーンは他にない。 なので、ここだけあまりにも非現実的で妙な感じはする。その後の熱い展開で違和感はすぐ忘れるだろうけど😀
「トップガン マーヴェリック」の登場機体
今回の主役機はF/A-18 スーパーホーネットな訳だが、F-35にしなかったのはやっぱりかっこよさなのかと思った。 先日の横田基地フレンドシップデーでF-35(空軍のだけど)を見てきたけれども、これは主人公にはなれない造形をしている。（外野で勝手なことを言うと）
今のステルス戦闘機ってどういうわけか悪役っぽさがある。 さらにいうと、単発というのも主人公感がない。F-16もきっと主人公にはなれない。
海軍の話である「トップガン」とは関係ないが、隣に展示してあったF-15に比べるとかっこよくはないなぁ、、と言う感じ。
昔のiPhone登場以前のNOKIAやSONY Ericssonのスマートフォンの方がかっこいいと思う。ステルス戦闘機にせよ今のスマホにせよシュッとしすぎていて、愛着が湧かなさそうな見た目をしているというか。
横田基地に行った時の記事は↓
「トップガン マーヴェリック」の音楽
TOP GUN Anthem、Danger Zoneから始まるオープニングはまじで！と思うくらいワクワクしたのだが、希望を言えばMighty Wingsも出してほしかった。
この人に同意。
