最近、「着メロ・着うた」ってめっきり聞かなくなったと思いませんか?そもそも音を鳴らさずバイブレーションのみという人が多い上、たまに通知音(今の時代「着信」音という言葉が適切なのかわからないので通知音ということにする。)を鳴らしている人がいてもiPhoneデフォルト通知音だったり、最初から入ってたんだろうなって感じの通知通知した音だったり。
ちなみに、携帯の文化は実は国によってちょっと違いがあったり…
ふと気になって着メロ・着うたが消えた理由を他の人がどう考えているのか調べてみたんだけど、こんな感じの記事を読んだ。
この記事がいい例だが、「趣味嗜好を他人に知られるのが恥ずかしいから見なくなったのでは」という推察が多い。でも、これだけでは納得のできる理由では無いと思う。 人に自分の趣味が恥ずかしいという社会なら、なぜ過去みんな着メロ・着うたを使っていたのか? ガラケー時代は恥ずかしくなかったのにスマホ時代になって恥ずかしくなったという理由について言及されていない。
時代の変化という考え方もあるだろうけれども、10年でそこまで社会が萎縮しますかね、、。
までも、「ノームコア」みたいなあんまり自己主張しないほうがカッコイイっていう流れは出てきましたよね。ちょっとは関係してるだろうか。
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僕が思うに時代意識が変わって恥ずかしくなったわけじゃなくて、単に使う人が少なくなったから時代遅れ、ダサいというイメージがついただけなんじゃないだろうか。 恥ずかしいから使う人がいなくなった、ではなく使う人が少なくなったから恥ずかしくなった、が適切だと思う。
かくいう自分も普段はバイブのみ、そもそも通知音を鳴らすことはない。 そこでまず、自分の使っているスマホ(Huawei P10)はそもそも着メロとか着うた的なことができるのかどうか調べてみた。Huaweiのカスタマイズが少々入ったAndroid 7.0のスマホである。
まず、音声データ自体はガラケー時代のように着メロ専用サイトからたっかいお金を払って購入(30秒で300円とかだっけ?)を買う必要はない。手持ちの.aacやらを入れればいい。プリインストールで何曲か入っていたので、検証にはそれを利用した。
まず、音声通話。これは簡単に設定できそうだった。設定から「本体ストレージに保存されている音楽」が表示されるので、特に迷うこと無く着うたをセットできる。
つぎにメール。Google Inboxの設定を見ると一応設定は可能だった。しかし音の選択を開こうとすると外部アプリのインテントが開き、「どのアプリで選ぶ?」という選択肢が現れる。この時点で相当数の人は諦めるのではないだろうか。つまり、無理。
今度はLINEアプリをいじってみたところ、通知音は組み込みのものから選ぶのみで、自分勝手に音を設定することはできないようだ。そもそも仕組みとして着メロを利用できなくなっている。
iOSはどうなっているかわからないが、少なくともAndroidの場合はガラケー時代のように簡単に着メロを自分で設定したりはできなくなっていそうだ。音楽ファイルの取り込みは圧倒的に簡単になっているのに。
ふと日本以外着メロ文化がなかったのかな?と思って調べてみたけど、Wikipediaの「着信メロディ」のページには
アメリカのビルボードでは、「Hot Ringtones」という着信メロディのヒットチャートが掲載されている。2006年6月26日現在、84作品がゴールド、40作品がプラチナ、4作品がマルチ・プラチナとして認定されている(ゴールド・ディスクも参照)。
という記述があるので、全く無かったわけではなさそう。なので、「着メロ文化を持たない国由来のiOS, AndroidといったOSのせい」で着メロがなくなったという感じでもないのかな。でも、プリインストールアプリだけでなく動的にアプリが出入りするので、各アプリが統一した「着メロ」インターフェースをもっていなかったおかげで着メロの設定方法がアプリごとにバラバラになり、エンドユーザーに難しさを感じさせる。そして使う人が減っていった。さらに使う人が減っていくので新しいアプリではそもそも着メロ類を切り捨てるようになった…というのはあるかもしれない。
そして、日本においてはLINEが着メロ機能を持たなかったからというのが着メロにとって致命的だったのではないだろうか。LINEにコミュニケーションの主軸を奪われたメール・電話は必然的に来てもそんなに嬉しくないもので埋め尽くされる。
Amazonの発送通知や領収書みたいな機械が送ってくるメール、俺ら合わせて年収8000万の人たちがかけてくるマンションの営業(僕のもとにもかかってきます。)などなど、来たところでうれしくもなんともない物が来たという通知にしかならない。そんなもののためにいちいち好きな音楽を通知音にセットしたくないということだ。
来てワクワクするメールや電話があったからこそ、それをもり立てるために通知音を設定していたのである。
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