久しぶりに関西のテレビを見たらローカル番組がなくて驚いたので、テレビとローカリティについて考えてみた。
※ちなみに、この記事でいう「ローカル番組」は関西の局が制作した番組というだけでなく、「ちちんぷいぷい」みたいな関西に住んでいる人向けの情報を取り扱う番組をイメージしている。 なので、関西のテレビ局制作でも、「ポツンと一軒家」は関西ローカル番組ではない。
はじめての出張
生まれてはじめて出張というものに行ってきた。
神戸のとある小規模な勉強会で、「共創とSDGs」みたいなタイトルで自分の会社のサービスを紹介する機会をもらえたので。
この仕事自体は神戸だが、主催者の方との合流場所が尼崎ということもあり、大阪難波に宿を取った。 僕が関西に住んでいるときにはなかった、阪神なんば線というのができており、難波から直接神戸方面に行けるようになっていた。
大阪を楽しむ
僕は20年ほど前、小学校の最後の頃に西宮北口に住んでいたということもあり、梅田には縁があった。 その一方でいわゆるミナミ心斎橋・難波や、新世界の方にはほとんど行く機会がなかった。
というわけで、この機会にベタな大阪観光もしてきた。
新世界でかすうどん・串カツ、そしてスパワールド
あべのハルカスに登る
なんばグランド花月で「ニッポンの社長」のグッズを買う
歩き疲れて宿泊する夜、ホテルに戻ってテレビをつけると、モヤモヤさまぁ~ずがやっていた。 あれ?と思ってチャンネルを回しても、東京でもやっているような番組ばかり。 夜の報道ステーションをみてても、お天気コーナーは東京で見る報ステと同じように東京の天気をやっている。
テレビ欄を見ても、昔ってもっと関西関西した番組多くなかったっけ?と思ってしまった。
定量的なデータはないものの、関西ローカル番組が減少しているということを感じている人はいるようだ。
20年前に、両親も関東以外に住んだことがなかった僕の一家に関西情報をいろいろ教えてくれた「ちちんぷいぷい」も終わってしまったそうな。
余談だけど、裏を返すと王様のブランチという番組は、僕にとっては物心ついた時からやっている番組なのだが、上京してきて東京のどこがどういうスポットなのか何もわからない!という人にとっては非常に心強い番組なのではないだろうか。
テレビのローカリティ
映像コンテンツということでいうと、情報番組もドラマもバラエティも同じ1時間の番組である。
アマプラやらU-NEXTやらに番組を販売することができるようになった今、ドラマやバラエティの評価価値は高まっているのではないか。 この仮説が正しいとしたら地方局でも全国で売れることを目指したドラマやバラエティを作るようになるのは経営的には正しいだろう。
ただ、土地勘の共有知を作るという意味で、王様のブランチ的な番組ってあるべきなのでは?という気がする。 お出かけ情報はインターネットのまとめサイトで手に入るとはいえ、どうしても元々持っている興味以外に目を向けさせる効果としては低い。
このブログでは何度も出てくるベネディクト アンダーソンが「想像の共同体」のなかでナショナリズムと活字メディアの関係性について述べているが、王様のブランチによって都会人のアイデンティティが作られているというのもあながち間違いではないだろう。
ポケモンGOによって人出は増えた、けれども街には興味がない人が彷徨っているだけ、というのがその行き着く先としてある。
Amazon批判とも通じるところがあるけれども、今持っている「興味・関心」をダイレクトに満たすビジネスって今はいいけど未来の文化をすり減らしているだけだと思うんですよね。
農業をやっている人に対して、今年この土地の限界まで作物を育てないのはなぜ?機会損失じゃないの?と問うのがバカな質問だというのは多くの人がわかると思うんだけれども(来年もその人はその土地で作物を育てないといけない)Amazon使えばいつでも買い物できるというのが賢い選択であるかのように語られているのはなぜなのか。
別にテレビでなければいけないわけではないが、地域としてのつながりを認識させるようなメディアがうまく後継として立ち上がっていないのが危機感を覚えるところである。